食欲の秋に! 食べて痩せられる「基礎代謝」活用“食事術”
食欲の秋に食べて痩せられる「基礎代謝」の活かし方(2)
単品ダイエットやスムージー、糖質制限……こうした減量法が流行しては消えゆくのは、それだけ失敗した人が多いからである。これらはいずれも、「基礎代謝」のメカニズムに反し、皮肉にも痩せにくい体をせっせと作り上げている可能性すらある。日本薬科大学学長である百済診療所の丁宗鐵(むねてつ)院長は「過度な減量や運動に血道を上げる中高年には『中庸』の意味を噛み締めてほしいものです」と語る。
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その上で実践へと移ろう。肥満度を示す数値として知られるBMI(ボディマス指数)は「体重kg÷身長mの2乗」で表され、一般には男女ともに①18・5未満は「痩せ」②18・5〜25未満は「普通」③25〜30未満は「前肥満」④30以上は「肥満」と評価される。身長165センチの人にとって「普通」とされる体重は、51〜68キロの範囲内となる。医学博士で管理栄養士の本多京子氏が言う。
「適正体重を保つには、リバウンド防止に尽きます。それには1日3食きちんと食べて基礎代謝を味方につけ、最大限に活用する必要があるのです」
とりわけ、朝食が重要だというのだ。
「体内では早朝にグルカゴンというホルモンが増え、脂肪を分解します。日の出とともに体が働くようプログラムされているのです。夜はインスリンの分泌が増え、糖分を脂肪に変えて貯蔵し、翌日に備える。だから朝食をしっかり摂ると基礎代謝が上がり、活動的かつ健康的に過ごせるのです」(同)
もっとも、朝食で固形物を食べる習慣のない人が無理に口にすると、体調を崩すこともある。東京・千駄ヶ谷でレストラン「ル・リール」を経営する管理栄養士の堀知佐子氏は、
「その場合はコーヒーだけでも飲んでほしいですね。適度なカフェインは基礎代謝を上げるとの研究結果もあり、コーヒーに含まれるポリフェノールの一種『クロロゲン酸』の脂肪燃焼作用も、大いに注目されているところです」
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