データ改竄で揺れる神戸製鋼所に“コネ入社”していた「安倍晋三首相」
「政略結婚」ならぬ「政略就職」
同書を引用する。
《大物政治家の息子だけに、大手商社や銀行などから「ぜひわが社に来てください」という申し入れが山のように安倍家に来たからである(略)なぜ「神戸製鋼所」が選ばれたのか。安倍が主体的に選んだわけではなかった。実は「政略結婚」ならぬ「政略就職」だった》
晋太郎氏の秘書が「神戸製鋼しかない」と密かに動いたのだ。当時は中選挙区制。旧山口1区からは晋太郎氏を含め、自民党は3人を当選させていた。だが、うち1人は神戸製鋼長府製造所が建つ土地の半分を有するという大地主。晋太郎氏の落選はないが、総理候補に名乗りを上げるためには、トップ当選は譲れない線だ。秘書氏が回想する。
《おやじ(晋太郎)は潔癖症だから、そうした政略的な選挙対策を極端に嫌う。晋三さんを神戸製鋼に入社させようとしていることがわかれば、自分の選挙区事情を知るおやじにその魂胆を見抜かれ「選挙対策をお前に教えてもらう必要はない」とはねつけられることは目に見えていました。だから、事前の準備はすべて水面下でやる必要がありました》
秘書氏は、晋太郎氏には義父にあたる岸信介・元首相に働きかけ「鉄鋼はいいぞ」と勧めてもらう。そして独断で神戸製鋼幹部に根回しを行い、外堀を埋めた。秘書氏は晋太郎氏の「黙認」を取り付け、安倍首相には「おじいちゃんも喜んでいる」の殺し文句で同意を取った。
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