朴槿恵被告が山岡荘八『徳川家康』を熟読し、弁護団が全員辞任のワケ
韓国でも山岡荘八の『徳川家康』は高い人気
四面楚歌という印象の朴前大統領だが、東亜日報が10月に「『徳川家康』を読む朴槿恵氏」の記事を掲載し、話題になっている。
記事には、《収監中の朴槿恵前大統領(65)が、日本の戦国時代を扱った歴史小説『大望』を手に取った。朴氏は政治家と企業経営者の必読書に選ばれる『大望』を読んで自分が置かれた状況を噛みしめているという》とある。この『大望』という小説が、山岡荘八の『徳川家康』の韓国版タイトルなのだ。
朴氏のある側近は、東亜日報の取材に対して「朴氏が小説の中の徳川家康の人生に自分の境遇を投影しているようだ」と話したという。そして記事は《監房と法廷で辛い時を過ごしている朴氏が、徳川家康を通じて希望を見出しているということだ》と伝えている。
日本人にとっては驚かされる記述ばかりだが、韓国社会に詳しいジャーナリストは「山岡荘八の『徳川家康』は韓国で、三国志と並ぶ人気を誇っています」と解説する。
「国土が狭く、資源に乏しい韓国では、己の頭脳を頼りに裸一貫で成り上がっていく主人公を描く歴史ロマンが人気です。そう聞くと、日本人は家康より豊臣秀吉を思い浮かべますが、韓国に攻め込んだ秀吉が主人公の小説を愛読するわけにはいかない。家康は豊臣家を倒したし、山岡荘八の『徳川家康』には秀吉の描写も非常に多い。こうしたことを背景に、昔も今も『大望』は多くの愛読者がいます」
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