都電をタクシー代わりにする贅沢
バスより快適な貸切列車の旅
行楽の秋、到来だ。旅行好きならご存じかもしれないが、この季節、旅行会社は貸切列車の旅にも力を入れる。目的地は紅葉の名所が多く、鎌倉、琵琶湖、奈良といったところが挙がる。
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具体的な旅行日程を見ると、紅葉の名所には列車を降り、バスで向かうツアーも少なくない。どうして最初からバスにしないのかと不思議だが、考えてみると素人でも列車のメリットはいくつか浮かぶ。
まず、高速道路などの渋滞には絶対に巻き込まれない。車内空間が広く、居住性が高い。「安心してリクライニングが使えます」と宣伝する旅行会社もある。更に個人で列車に乗っても、混雑で座れないこともあるだろう。貸切なら絶対に自分の席が確保されている。
更に「カシオペア」や「或る列車」という有名豪華列車を貸切ツアーで走らせたり、年輩の方々にはおなじみの「お座敷列車」を仕立てたりと、鉄道ファンでなくとも「乗る」ことに重点を置いた旅行企画も人気だ。
こうした貸切列車の旅は、いわば“レディーメード”と言える。対して“オーダーメイド”は不可能なイメージが強い。ところが時間と少しの資金、何より同好の士が集まれば、我ら庶民の財布でも実現できることをご存じだろうか。
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