プロ野球「チーム満足度」調査 ドラフト目玉候補の親と恩師に読ませてみたら…

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「こんなに差があるとは」

「先週(10月上旬)も清宮はチームに来ましたよ。練習にも加わってくれて、子供たちも大喜びでした」

 そう話すのは、清宮選手が中学時代に所属していた少年野球チーム「調布リトルシニア」の安羅岡一樹監督だ。さっそくアンケート調査の結果を伝えると、

「父親の克幸さんは大の阪神ファンですから、阪神に行ってほしいのかなと思います。それはともかく、正直言って最下位の横浜DeNAがクジを引き当ててしまっても、清宮に対しては特別な対応になるんじゃないですか。本人は将来、メジャーリーグに行くことを希望していますから、(10月2日に行われた)各球団との面談でもその話は出ているでしょう。彼の胸中にある球団は、特定のどこかではなく、入団して何年か経ったらポスティングでアメリカに行かせてくれるところだと思います」

 ドラフト会議では、少なくとも9チームが1位指名すると言われているだけあって、清宮選手の場合は球団に求めるものも別次元なのだろう。

 もう1人、ドラフト会議の目玉と言われるのが、広陵高校の中村奨成選手。広島カープなどが1位指名すると見られている。

「やっぱり入って欲しいのは広島カープ。地元だし、選手を育てる球団というイメージがありますから」

 とは、中村選手が中学時代に入っていた少年野球チーム「大野シニア」(廿日市市)の中村正行監督だ。

 だが、10月19日号でもお伝えしたとおり、広島カープの査定は分かりにくいうえに、年俸はシブチンと来ている。

 アンケートでも、

〈査定方法は理解できているか?〉(11位)

〈プレーは評価されているか?〉(10位)

 という2つの項目で選手の不満は大きい。それを伝えると、

「たしかに、他球団の選手と同じ成績なのに、自分の年俸が低いと、球団への不満になりますよね。それと広島カープや横浜DeNAは若手選手の層が厚いので出場機会が少ない。それも不満につながっているのかも知れません」(中村監督)

 では、広島以外ならどこが良いのだろうか。

「アンケート結果ではソフトバンクのランキングがずいぶん高い。たしかに選手の長所を伸ばすイメージがあります。広島出身の柳田悠岐選手もチームで結果を残していますから、同郷の先輩にバッティングを教わるという意味でも、ソフトバンクはいいですよね」(同)

 今年の夏の甲子園で初優勝した花咲徳栄高校(埼玉)からは、清水達也投手と西川愛也選手らが、「プロ志望届」を出している。

「うちの学校としては“12球団のどこでもいい”という生徒だけ、プロ志望届を出していいことにしているんです。プロ球団からお呼びがかかったら、どこにでも行くように常々言い聞かせていますから」

 そう話す同校野球部の岩井隆監督に、極秘アンケートの結果を見せる。

「うーん、たしかにこのアンケートではベイスターズさんが、ほとんど最下位ですね。しかもダントツで下。正直言って驚きました。いくら甲子園の優勝校であっても、私たちには、こういう情報は入ってこないものなんです。球団に対しては『高校生を多く指名しているか』、『育成がしっかりしているかどうか』については見ているつもりです。しかし、こんなに選手の評価に差があるとは……」

 最後に東大生ピッチャー・宮台康平はどうだろう。強豪の法政大学に連勝し、プロ志望を表明している。

「ドラフトについては正直言って当落線上にいると思っています。話題が先行しているところがあると思いますし」

 とは父の宮台忠氏。

「プロ野球は入るだけじゃだめです。活躍しなければ意味がありません。康平はドラフト一本に絞っていて就職活動をしていないんですよ。指名されなければ、今年1年を棒に振るわけだから、康平も“1年浪人したと考えてもらえないか”と言っています。希望の球団? 横浜に住んでいますので、DeNAベイスターズで獲ってもらえると応援に行きやすいんですけどね」

 だが、横浜DeNAのランキングが低いことを伝えると、

「地元にいると、横浜スタジアムのお客さんがすごく増えたのは実感しますし、クライマックスシリーズにも進出できた。年俸のことはよく分かりませんが、頑張っていると思うんです」(同)

 自分の息子を、あるいは教え子を指名するチームが内側からどう見られているのか、本誌の入手したアンケートが、それを知る一助になれば幸いである。

週刊新潮 2017年10月26日号掲載

特集「天国と地獄『プロ野球選手』チーム満足度の『極秘アンケート』が波紋! ドラフト目玉候補の『親』と『恩師』に読ませてみたら……」より

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