両陛下、強行日程の合間に「安川電機」ご訪問のワケ

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 かなりハードな“秋の九州3泊4日”のご旅行だ。

 10月末に組まれた天皇皇后両陛下の行幸啓である。

 宮内庁担当記者の話。

「もともとは29日に福岡県宗像市で開かれる『全国豊かな海づくり大会』へのご出席のため、前日から2泊3日で行かれるご予定だったのです」

 ところがこの7月に、九州北部豪雨が発生。

「陛下は直後に、“お見舞いに行きたい”という強いお気持ちを示された。そこで1日前倒しして九州入りされ、被災地を慰問されることになったのです」(同)

 特別機で福岡空港に到着されたその日、両陛下はお車で県中央部にある朝倉市へ。さらに県境を跨いで、もう一つの被災地・大分県日田市をお訪ねになる。

「その後、佐賀県鳥栖市まで行かれ、その日のうちに、新幹線でご宿泊先の北九州市に入られる。移動だけでも相当な距離ですよ」

 とは、福岡県庁の担当者。

「そこで翌日は、なるべくゆっくりしていただくということで、ご訪問は1カ所となりました」

 その栄えあるご訪問先に選ばれたのは、北九州市に本社のある「安川電機」の敷地内に建つ施設「みらい館」。

「北九州市はこの安川電機さんを始め、先端産業が盛んな地域。その特徴を実感していただきたく、自動車工場などで活躍する同社の産業用ロボットなどが展示されているこの施設が選ばれたわけです」(同)

 安川電機と言えば来年2月の決算では530億円の営業利益が見込まれ、先日は、時価総額が初めて1兆円を超えたことで話題になった。地元関係者の話。

「創業者の安川敬一郎は、孫文と交流があり、資金援助もしていました。孫文が『世界平和』と揮毫した書も本人から貰っています」

 日中親善の志は後の経営者にも代々引き継がれ、

「2009年には、国家副主席時代の習近平氏も安川電機の工場を視察しています。この話は中国系企業の関係者には有名で、反日ムードが漂う時期でも中国との取引が行われ、それが業績向上につながっているんですよ」(同)

 ロボットのお目見得――。

週刊新潮 2017年10月26日号掲載

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