「稲垣吾郎」はどうして「5時に夢中!」に出演するのか

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 元SMAPの稲垣吾郎が、24日放送のTOKYO MX「5時に夢中!」(月~金 後5:00)にゲストコメンテーターとして緊急生出演する。稲垣が同局の番組に出演するのは、これが初めてだ。公式の発表によると、「企画コーナーでは、視聴者お悩み相談に生電話で答えるSP企画『ゴローの奥様テレフォン相談室』を展開!『5時に夢中!』の視聴者の主婦の皆さんの悩みを優しく解決していきます!」とのことで、今から稲垣がファンとどんな会話を繰り広げるのか、期待が膨らんでいる。

 ジャニーズ事務所退所後、稲垣がテレビの生放送に出演するのは今回が初めて。既に予告されている「72時間ホンネテレビ」(Abema TV)に先立つかたちで、久々の生放送出演となる。放送当日昼の緊急告知にもかかわらず、TOKYO MXテレビの前は放送前から人だかりが。さすがは国民的アイドル。集客力は相変わらずのようだ。

 それにしても、なぜ「5時に夢中!」なのか。様々な憶測が頭をかすめるが、同番組のプロデューサーを務める大川貴史氏は、著作『視聴率ゼロ!』の中で、キャスティングの決め手についてこう語っている(以下同書より抜粋、引用)。

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 いろいろな人から「キャスティングの基準は?」と聞かれることが多いのですが、すでに書いた通り、基準は、僕が「面白い」と思うかどうか。では、僕が思う「面白い人」とは、いったいどんな人なのかというと……。それは「圧倒的な人」です。

 一番求めているのは、その言葉に「魂」がこもっているかどうか。テクニックの面白さより「人間の面白さ」。上手くなくても、むき出しの本音だったり、新しい「モノの見方」だったり……。言葉に「人間」が見えると、聞く人は(少なくとも僕は)心を動かされ、「またこの人の話を聞きたい」と思うのです。

 テレビでお馴染みのタレントさんに出演していただいた時も、本当は、話術ではなく「魂の部分」が見たいのです。力を抜いて、普段見せない部分を見せてもらいたい。

 誰も分からない趣味の話を延々としてもいい。番組のグダグダな進行に本気で怒っても構いません。そこに、ゲストの「人間」が見えれば、番組を観ている人の印象に残るからです。

 有名なタレントさんがゲストにいらして、視聴者から「面白かった」というメールがたくさん届く時は、実は、笑いが多かった時よりも「人間」が見えた時なのです。

 ここ数年、MXは「スキャンダルタレントの再出発の場」と言われるようになりました。スキャンダルを起こしてテレビから遠ざかっていたタレントさん、著名人の方が、『5時に夢中!』や、同じく僕が担当する『バラいろダンディ』に出演してくれているからです。

 スキャンダルを起こした人を積極的に起用しているのは、決して炎上商法ではありません。一度失敗した人は、世間からメチャメチャに叩かれていたり、謹慎している間に自分と向き合う時間が多かったから、考え方も発言も、それ以前と比べ、確実に「重み」が増しています。しかも、一度イメージが落ちきっているから、変に自分を取り繕わない。その結果、心に響く発言をしてくれることが多いのです。

 トークのプロではない人、一度失敗した人を「面白い」と思う理由も、「人間の面白さ」 を見せてくれるから、なのです。

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 もちろん、今回、稲垣が出演するのは「スキャンダルタレントの再出発」としてではないことは明白だ。しかし、グループの解散、事務所の退所、そして新しい場所での再出発など、人生の岐路を経たことで、今まで以上に、タレント、そして人間としての「重み」が増しているであろうと期待せずにはいられない。稲垣吾郎の「人間の面白さ」が堪能できることを楽しみに、5時を迎える。

デイリー新潮編集部

2017年10月24日掲載

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