主義主張を押し付ける「朝日」「東京」「毎日」の“東電イジメ”報道
この世に絶対安全はない
実は、東電が原発を運営する「資格」は今回の審査でも問われ、ひとまず了承された。ところが、東京新聞は朝刊1面トップに〈東電資格 疑問のまま〉という見出しを躍らせ、朝日も、
〈福島第一原発で未曽有の事故を起こし、今も後始末に追われる東京電力に対し、原発を動かすことを認めてよいのか〉
と社説に記した。これに東京工業大学の澤田哲生助教(原子核工学)は、
「原発をめぐっては、事故が起きただけに、感情論と技術論が入り乱れるのは当然ですが、こと規制においては、非科学的な要素は排除し、技術論にもとづいて判断を下すべきです」
と指摘。(上)にて「屋上屋」と記した技術論についても例示してもらうと、
「福島の事故で放出されたセシウムは1万テラベクレルでしたが、新規制基準では、万一の事故の際に放出するセシウムの量を、その100分の1の100テラベクレルに収めるように求めている。しかし、柏崎刈羽原発では事故発生後の100日間の合計でも、放出量が18テラベクレルに収まるという評価値になっています。ところがこうした情報は、まったくと言っていいほど報道されないのです」
原発の安全性をめぐるいたちごっこには、恐らく出口がない。それは(上)にて引用した「絶対に安全なんてことはないって」という毎日新聞談話の言葉に表れている。評論家の徳岡孝夫氏が呆れて言う。
「世の中、絶対安全なんてものはない。飛行機だって落ちないという確証はないんです。絶対安全を前提に原発反対の論陣を張っても無益。なんでも安全や平和に結びつけ、己の良心を満足させようとする朝日や毎日が、何重もの安全対策を講じている東電を寄ってたかって袋叩きにしているだけで、これはイジメです」
だが、そもそも朝日や毎日の拠り所「平和」は、本当に反原発によってもたらされるのだろうか。
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