「ユリノミクス」は「ユリコのミス」… 内実を伴わない“希望の党”政策

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国家予算が吹っ飛ぶ

 また、政治アナリストの伊藤惇夫氏が、

「『満員電車ゼロ』も標榜していますが、地方や過疎地には何の意味もない。総じて荒っぽく、急拵(きゅうごしら)えの感が否めません」

 と指摘すれば、アゴラ研究所代表で経済学者の池田信夫氏は、希望の党のベーシックインカム(BI)政策について大いに首を捻る。

「BIは基礎年金や生活保護などを止め、その代わりに年齢に関係なく全国民に現金を支給し、格差の是正を図るものです。しかし、希望の党の政策は非現実的で、莫大な財源が必要となるBIの導入を掲げる一方で、消費増税の凍結、つまり税収を増やさないと真逆のことを言っている。仮に、人口1億2700万人に現在の国民年金と同等の年78万円を支給する場合、99兆円もの財源が必要になります。昨年度の一般会計予算は96・7兆円ですから、国家予算を吹き飛ばすくらいのお金が掛かる政策なんです」

「ユリコのミス」では済まされない大いなる勘違いだが、原発ゼロに関しても、

「民主党の野田政権でさえ、『2030年代に』ゼロを目指すと言って、それでも結局見通しが立てられないまま政権交代となったのに、希望の党はさらにそれを加速し『2030年までに』と言っています。その工程表は全く見えません」(同)

 こんな内実を伴わない政策では、とても責任ある国政政党のものとは言えまい。

週刊新潮 2017年10月19日号掲載

特集「傾国の『小池百合子』」より

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