「市場移転」「五輪」を放置… 賛成・反対両派が激怒する小池都政

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 日本をリセットする――そう高らかに宣言し、国政に打って出た小池氏。しかし、彼女の足元には「市場移転」「五輪」という、リセットどころか、知事就任から一向に前進しない難問が2つも放置されたままなのだ。

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「希望の党の代表に彼女が就いたというニュースを見て、『この人はもう、都知事の職を投げ出したいんだな』と確信しましたね」

 と呆れ顔なのは、“豊洲の汚染された土地に移ってはならない”と、一貫して訴えてきた豊洲移転反対派の急先鋒、「築地女将さん会」の山口タイ会長。

「そりゃ彼女の就任直後は、たしかに救世主に見えましたよ。実際に移転をストップさせ、何度も豊洲の地下水のモニタリング調査をしてくれた。これで移転の話はなくなり、築地市場を再整備してくれるんだとばかり思っていました」(同)

 ところが、である。

「例の“築地は守る、豊洲は活かす”の基本方針が出て……。築地に市場機能を持つテーマパークを作るとか言っていますが、そもそも、市場機能とは何なのかもはっきりしないし、近くに2つも市場はいりませんよね。何を考えているのかわからなくなったんです」

 そこで、

「8月に小池さんに公開質問状を送りましたが、回答期限を過ぎても返事なし。要は、反対派の私たちにいい顔していた手前、中途半端な案しか出せなかったからでしょう」(同)

 一方の“移転賛成派”はというと、

「ここまで散々ひっかき回して、結局いつ移転するのかさえいまだはっきりせず、設備の維持費用が嵩むばかり。我々を振り回すのはもういい加減にやめてほしい」(築地でマグロ仲卸業を営む生田与克氏)

 そんな中、ただひとつだけ“メリット”も。

「我々賛成派と反対派が、“小池さんは、とにかく一刻も早く都知事を辞任すべき”という点で、はじめて意見が一致しました」(同)

 市場移転と並んで放置されている問題が、東京五輪へ向けたインフラ整備だ。

 都職員の話。

「築地市場の跡地に、選手や関係者を各会場に送るバスの発着所となる、巨大輸送拠点を整備することになっていたのですが、移転問題のゴタゴタで遅れ、市場の解体は来秋以降まで始まらない。しかも、作業には1年半はかかりますから、開催までに輸送拠点を造る時間は残されてないんです」

 つまり、輸送拠点計画は白紙に戻っているわけだが、

「この件について、彼女は代替案を出していない」(同)

 さらに、

「新国立競技場と豊洲の選手村を10分で結ぶとされていた、環状2号線の整備もストップしたまま。仮設道路を整備しても、開催期間中大渋滞が発生し、競技に支障をきたします」(同)

 都民ファーストを離党した都議会議員の音喜多駿氏が嘆く。

「二足の草鞋(わらじ)は悪いとは言わないですが、ここまで未解決の問題を残したまま国政に手を伸ばすのが果たして正しいのか。彼女の政治姿勢には疑問を感じます」

 都民の心は確実に“都知事をリセット”へと向かっているのだ。

週刊新潮 2017年10月19日号掲載

特集「傾国の『小池百合子』」より

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