松雪泰子が演じる“娼婦だった作家” 11月4日より舞台

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 人呼んでフランス文学界のマリリン・モンロー。

 1973年カナダ生まれのネリー・アルカン(本名イザベル・フォルティエ)は、フランス文壇に彗星のごとくデビューし、36歳で自殺した実在の作家。処女小説「PUTAIN(ピュタン)」が、刊行されたのは2001年のこと。ピュタンとは売春婦のことで、ネリーの前職はまさにそれ。

 10月21日より公開される「ネリー・アルカン 愛と孤独の淵で」(YEBISU GARDEN CINEMAほかにて)は、彼女の人生を描いている。映画評論家の北川れい子氏は、

「元高級コールガールだけに綺麗で、かつ才能もある人だったのでしょう。主演のマイリーン・マッケイもグラマーな美人。だけど、自分で自分を追い詰めていくストーリーは痛い。最近は元AV嬢をウリにメディアに出て来る子も増えた中で、何も死ぬことはないんじゃないの、と思っちゃう」

 映画の公開が終わろうという頃、11月4日から上演されるのが「この熱き私の激情」という舞台(天王洲 銀河劇場ほか)。描かれるのは、こちらもネリーで、松雪泰子、小島聖、初音映莉子、宮本裕子、芦那すみれ、奥野美和、霧矢大夢の7人で彼女を演じる。

 演劇評論家の萩尾瞳氏は、

「綺麗で硬質な印象の松雪さん、柔なイメージの小島さん、透明感のある宮本さん、華やかな霧矢さんなど、バラエティに富む顔ぶれ。カラーも資質も異なる7人で1人をどれだけ演じ分けられるか興味深いですね」

 関係者が明かす。

「上下2層、横5つに仕切られた10の部屋が舞台に設けられ各室に閉じ込められた6人の女優とダンサーがネリーの内面を演じます」

 なかでも「影の部屋」から死の魅力を語る松雪の激情が見ものとか。

 映画も舞台もPARCOの仕掛け。すでに「ピュタン」(PARCO出版)も出版されている。“読んでから見るか、見てから読むか”の角川をも超えたか。

週刊新潮 2017年10月19日号掲載

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