最後の老兵「亀井静香」が咆えた“小池政治の正体見たり”

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 亀の甲より年の功。13回連続当選してきた亀井静香氏が政界を退く。以下は議員歴約40年の「亀の功」。

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「これから私が申し上げることは落武者の戯(ざ)れ言です。そんなふうに聞いてやってください」

 亀井静香、80歳。永田町最後の老兵は独特のダミ声でこう語り始める。

「今の政界は倫理も論理もない。今回当選したとしても、政界には私の相棒が見当たらない。だから、引退することにしたんです」

 彼は2005年の郵政選挙で自民党を追い出され、紆余曲折を経て無所属となりながらも一匹狼として異彩を放ってきた歴戦の兵(つわもの)だが、10月5日、ついに戦線からの「撤退」を表明した。

「いつから政治はこんなことになってしまったのかねえ。そうだねえ、やはり小泉時代からだね。自民党の伝統では考えられない、郵政解散なんて無茶苦茶なことをやって、意に沿わない人には刺客を立てた。小池さんも似てるでしょ? 彼女のやってることは無茶ですよ。だって、希望の党じゃなくて自民党の人間を首班指名するかもしれないって言うんでしょ? だったら彼女、自民党を出る必要なかったじゃない」

「浪花節」がスーツを着て歩いているような亀井氏の呟きは続く。

「排除の論理だって? だったら小池さんは、ひとりでやればいい。ひとりぼっちでね。気に入らないから仲間に入れないっていうんなら、政党なんて成り立ちませんよ。人間なんですから、完全に一致するなんてことがあるはずない。政治ってのはね、日本を一緒によくしていこうという連帯感さえあれば、少々の政策の違いは包み込まなイカンのですよ。みんな違うんだもの。大きく包み込まなきゃ。私は、小池さんは違うと思うね。結局ね、彼女は政治のあり方の基本を知らないんだと思うな」

 そしてこう締めくくった。

「まあ、80歳というのはまだ洟垂(はなた)れ小僧だから、引退しても私なりにできることはいろいろあります。ただし、小池さんのところの候補者を全面的に応援することはできない。うん、それだけはできないね」

 この「傘寿の洟垂れ小僧」の言葉も、小池氏は古臭いしがらみ政治と斬って捨てるのだろうか……。

週刊新潮 2017年10月19日号掲載

特集「傾国の『小池百合子』」より

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