【緊急寄稿】音喜多駿、“都政そっちのけ”の「小池代表」に不満爆発 内幕を暴露

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「新潮45」11月号で、音喜多駿が独占手記を緊急寄稿。ついに離党を宣言した若き「党の顔」が、欺瞞に満ちた「古巣」の内幕を暴露する。

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自民党と同じ穴のムジナ

 僕が上田令子都議と共に離党会見を開いたのは、都議会の定例会が閉会した10月5日。希望の党が1次公認を発表した2日後です。いま日本で最も人気のある女性政治家に背後から奇襲をかけたのですから、「お尋ね者」扱いされても仕方がないでしょうね。「都民ファーストの会のおときた駿」に期待して下さった皆さまには、大変申し訳ないと思っています。ただ、僕自身は政治家としての信念を貫いて今回の決断を下しました。その点は胸を張って言えます。 

 今回の離党について、都民ファーストの会の小山有彦(くにひこ)・幹事長代理は「希望の党から出馬できないことが分かったので、(離党という)対応につながったのであれば残念」と発言しました。つまり、僕が、国政選挙で公認されなかったことを逆恨みして離党したというわけです。ただ、小山さんの人柄を考えると、彼が個人的に発した言葉とは思えない。僕は公認を打診された側です。しかも、それをきっぱり断っています。都政に難題が山積するいま、軽々に都議としての任期を投げ出すべきではないと考えたからです。にもかかわらず、党の役員会は「音喜多が公認を貰えなかった腹いせに党を飛び出した」というストーリーをでっち上げたいのでしょう。僕が離党に至った理由はこうした対応と無関係ではありません。

 そもそも、小池知事は「ガラス張りの都政」を掲げ、「情報公開は東京大改革の1丁目1番地」と謳って都知事選に勝利しました。ところが、今年7月の都議選で55議席を獲得し、都民ファーストの会が都議会第一党となって以降、情報公開はほとんど進んでいません。むしろ、ブラックボックス化に拍車がかかるばかりで、かつての都議会自民党と同じ穴のムジナとしか思えない状況です。

 1~2週に1度開催される党の議員総会では、事前に役員会で決められた方針が上意下達されるだけ。異議を唱えても全く聞く耳を持たれません。9月11日に野田数(かずさ)さんから荒木千陽(ちはる)都議に代表が交代しましたが、この人事も小池知事と役員会のメンバーである増子博樹幹事長、山内晃政調会長からなる選考委員会で決められています。党所属の都議は、この日の午後に一斉メールで代表人事を知りますが、すでに報道が先んじていました。

 なぜ党代表という極めて重要な人事を、都議の意見を一切聞くことなく密室で決めたのか。その2日後に開かれた議員総会で議論すべきではなかったか。こうした批判に対して、荒木代表は「党の規約に則っている」と反論しました。確かに、規約には違反していないでしょう。ただ、問題はこの規約自体にあります。

 僕は党の設立当初から規約作りに関わってきました。国内の全政党どころかイギリスの政党の規約まで読み込み、100条以上に及ぶ草案を提出したのです。しかし、当時の野田代表に、「これでは知事がスピーディーな意思決定をできない」と突っぱねられ、僕は検討会のメンバーを外されます。その結果、出来上がった規約は、役員会に権限を集中させ、議員総会での議論を経ずに主だった方針が決められるという代物でした。執行機関と議決機関が一体化しては独裁国家と何ら変わりありません。しかも、この規約は所属議員に周知されていないのです。

 もちろん、手続きを踏めば都の選管で閲覧することは可能ですが、自分が所属する党の規約を知るのに情報公開請求をしなければならないのは明らかに不自然です。少なくとも、「情報公開」を党是に掲げる政党とは思えない。

 同様に、お金の使い道にも不透明な印象は拭えません。党所属の都議は毎月、党費として6万円、政務活動費のうち15万円を党に支払っています。無論、ネット回線を引く、コピー機を入れる、受付スタッフを雇うといった費用は必要でしょう。しかし、この3カ月間で都議55人から3500万円近くのお金を徴収しながら使途は明かされないまま。原資が都民の税金である以上、使い道を公表すべきなのは言うまでもないことです。

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