「鈴木宗男・貴子」親子出馬で“路チュー不倫”中川郁子の焦り

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 この3人が選挙戦で顔を揃えるのは初めてのことだ。公民権停止が解けて、新党大地から比例で出馬する鈴木宗男氏と、自民党にくら替えして比例候補となった娘の貴子氏。片や、“路チュー不倫”の中川郁子(ゆうこ)氏は北海道11区で自民公認を得た。北の大地では、この奇妙な三角関係に、ようやく決着がつこうとしている。

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「総理と官房長官が東京同時不在4時間」――北朝鮮のミサイル発射が懸念される中、10月1日の“異常事態”を各紙はこう伝えた。

 菅官房長官が向かった先は北の大地。批判されるリスクを冒しても、敢えて応援に向かったのは、当然ながら現地特有の苦しい選挙事情があった。

 地元記者が解説する。

「未だに民進系候補が強い道内では、比例でも自民は多くて2から3議席しか取れない。ただでさえ選挙区で苦戦を強いられる自民候補からすれば、貴子氏で枠が減り、さらに宗男氏が出馬することで比例の票を食われる。そうなれば、自らの比例復活の可能性もなくなると、反対の声をあげていた。わざわざ菅さんが道内に入ったのは、そういった声を鎮める地固めの役割もあったのです」

 この選挙で、官邸と党本部は約35万票あるとされる宗男氏の“集客力”に期待を寄せる。実際、貴子氏の公認と引き換えに、大地は小選挙区で自民を全面支援すると契りを交わした。

 当の宗男氏に聞くと、

「未だに、私が出たら自民の比例枠が減る、保守の票が割れるなんて選挙を知らない人が言うことです。鈴木宗男が出馬することで浮動票が掘り起こされて、結果、小選挙区の自民にとってもプラスになります」

「申し訳ありません」

 とはいえ、小選挙区の実情が厳しいことに変わりはない。9月中旬に自民道連が行った調査では、道内12選挙区のうち、確実に当選の予想が出たのは2つのみ。逆に、完全にペケがついたのが3つあって、その1つが中川氏の牙城である北海道11区だった。

 さる道連関係者によれば、

「スキャンダル後、自公でも中川さんの女性票はかなり減りましたからね。加えて、対抗馬は新党大地からの出馬経験もある石川知裕氏の妻・香織氏に決まった。中川さんと同じ聖心女子大OGですが、地元行事にもマメに顔を出し、お嬢様然としない親しみやすさで人気を集めているのです」

 迎え撃つ郁子氏の焦りは相当なものだと続ける。

「解散報道があった9月末には、“二階先生から真っ先に声援をいただいた”と吹聴して、中央とのパイプをアピール。地元集会でもプライドを捨てたかのように頭を下げ、申し訳ありませんと連呼しているんです」(同)

 だが、そんな彼女でも譲れないプライドがあった。

「宗男氏の地盤を含む11区は、夫の昭一さんの頃から遺恨がある。実際、昨年12月に地元組織から二階幹事長へ、貴子氏の入党と大地との選挙協力に反対する決議文が提出されましたが、郁子さんも同行し反対意見を述べた。全道で大地が自民への協力に合意していても、11区で支援がある可能性は低いと思われます」(同)

 宗男センセイの隠し玉、あの千春が中川氏の傍らでマイクを握る姿は見られそうにない。

週刊新潮 2017年10月12日神無月増大号掲載

特集「自民党大量絶滅期」より

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