日本馬勢は惨敗も… JRA「凱旋門賞」のソロバン
またしても、悲願達成とはいかなかった。
競馬の世界最高峰レース、凱旋門賞(仏・シャンティイ競馬場、10月1日発走)である。今年は日本から、サトノダイヤモンド号、サトノノブレス号の2頭が挑戦したものの、さしたる見せ場もなく、15着(ダイヤモンド号)、16着(ノブレス号)と大惨敗。日本馬初の世界制覇は、来年以降にお預けになった。
競馬担当記者が嘆く。
「そもそも今回の2頭は、前哨戦となるフォワ賞(同競馬場、9月10日発走)でもいい結果が出せておらず、期待はそこまで高くはなかった。ただ、どちらも日本では超有力馬。勝たないにしても、好勝負くらいならできるのではと期待していましたが……」
敗因はというと、
「芝が合っていなかったですね。日本のとは全く違って、フランスの芝は深く、馬場はぬかるんでいる。前走や現地での調教でその悪路に慣れれば勝ち目はあったんでしょうけれど、レースを見る限り、走るだけで体力を奪われて、最後は2頭ともバテバテでした」(同)
一方、レースを前にまるで有馬記念のような盛り上がりをみせたのは、わがJRA(日本中央競馬会)。
競馬関係者が言う。
「昨年から凱旋門賞の馬券を売り始めたんですが、日曜深夜という難しい時間帯であるにもかかわらず、当初予想の10倍、41億円の売り上げを叩き出したんです」
しかも、
「レース開催の経費もかからず、ネット販売だけなので人件費も抑えられる。幹部連中も『やって正解だった』と嬉しそうでした」(同)
“成功”に味をしめたJRAは、今年も大手各紙に全面広告を打つなど、猛プッシュ。
「同じ日に秋のGIレース初戦、スプリンターズステークスが開催されたのですが、おかげで全然注目されず、完全に前座扱い」(同)
さて今年はいくら儲かったのかというと、
「34億円と、宣伝費を使った割に7億のマイナス。ですが幹部は、“去年に肉薄したのだからよし”と余裕でしたね」(同)
売り上げ減でも、まだまだウマ味たっぷりなわけだ。