最悪は100議席減… 安倍総理の「退陣ライン」は

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精神的にも追い込まれ

 安倍総理が解散を決断したのは、先月上旬に行われた自民党の情勢調査を受けて、とされている。その結果は、

〈自民党が約20議席減。公明党が現状維持〉

 というものだった。つまり、現有議席から20議席を減らしてもいい、という判断から解散を決めたことになる。

「議席の1割を減らすくらいであれば、“負け”にはならないというのが党内の相場観。逆に言えば、それ以上、例えば50議席以上減らすことになれば、責任論が出てくることになります」(自民党関係者)

 先のデスクが解説する。

「獲得議席が233未満なら、憲法改正の発議が可能な310議席には公明党や維新を合わせても、遠く及ばない。何より、憲法改正を目標にしてきた安倍総理のこと、体力的にも精神的にも追い込まれます。また、自民党で常任委員長ポストの全てを確保することができません。重要法案の審議で行き詰り、国会運営にも支障が出てくることになります」

 政治評論家の小林吉弥氏が言うには、

「単独過半数割れなら、10月22日の投開票日に一気に退陣論が浮上してくることになります」

 実際に退陣となれば、

「現在の日程では10月31日もしくは11月1日に特別国会が召集され、首班指名が行われます。つまり、投開票日から10日も経たないうちに次の自民党総裁を決めなければならないのです」(先のデスク)

 先の自民党関係者が補足する。

「もちろん、全国の党員が投票する総裁選を行うほど、時間的な余裕はありません。自民党の内規では、両院議員総会を開いて、議員票などで総裁を選ぶことが可能です」

 自民党本部の一室で、総理候補が決められる。そんな光景が浮かんでくる。では、次は一体誰がその“玉座”に坐るのか──。

週刊新潮 2017年10月12日神無月増大号掲載

特集「自民党大量絶滅期」より

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