最悪は100議席減… 安倍総理の「退陣ライン」は
「真珠湾奇襲だったつもりが、これではミッドウェーの地獄だ」。今回の解散総選挙は自民党内でこう評されている。総理を待ち受けるは、アメリカ海軍ならぬ、希望の党。100人もの“犠牲者”が出るとも目されるこの戦いが、安倍政権の運命の分かれ目になるという。
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事実上、衆院を解散した9月28日から始まった選挙戦。早くも安倍総理に焦りの色が見え隠れする。官邸関係者によれば、
「同日、渋谷のハチ公前で公明党の山口那津男代表と街頭演説を行いました。両党首が揃う演説は異例だと話題になったのですが、実は安倍総理が公明党との結束を見せようと、山口代表に頼みこんだようです」
小池百合子都知事が希望の党の代表に就任し、メディアは小池一色。苦戦は必至である。安倍総理は解散を宣言した25日の会見で勝敗ラインについて、
「自公で過半数の233議席です」
と、目標を掲げている。政治部デスクが解説する。
「極めて単純な話で、今回安倍総理は政権を維持できるかどうか、を勝敗ラインにしたわけです。自民党は現有288議席。公明党は35議席。今回の選挙から比例の定数が減るため、公明党は最大でマイナス4議席になる可能性があります。すると公明党の議席は31となりますので、過半数の233議席を維持するためには自民党で202議席を獲得すればいいという計算になる。連合は立憲民主と希望の各党からの支援要請に“考え方が一致する候補者を個別に支援する”との方針ですから、100議席減もありえます」
過半数割れが現実味を帯びてきたが、仮にそうなったとしても、
「簡単には辞められない事情があるんです」
と、先の関係者。
「予定では11月上旬に2泊3日でトランプ大統領が来日。安倍総理とはゴルフも楽しむ予定です。外交儀礼上、これをキャンセルすることはできません。北朝鮮情勢もありますから、大幅に議席を減らしても、“政治空白を生まない”を理由に、安倍総理は政権を維持しようとするでしょう。日本維新の会を連立に加えることだって検討できます」
そうはいっても、政権の椅子にしがみつくことを世間は許すのか。政治ジャーナリストの山村明義氏は、
「200議席を切るような大負けとなれば、どんな事情があるにしろ、即退陣となるでしょう」
さらに、こう指摘する。
「党内では自民単独過半数の維持が実際の目標になっています。これを割る、つまり50議席以上減らした場合でも、求心力の低下は否めません」
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