「安室奈美恵」引退は美談か 山口百恵との大きな違い

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人工的な引退発表

 山口百恵を育てた音楽プロデューサーの酒井政利氏は、

「安室さんの引退と山口百恵の引退には大きな違いがあります。山口百恵は家庭、結婚を見据えての引退だった。一方の安室さんは自己プロデュースに長けており、今後のパフォーマンスや自分の未来予想図を勘案して引退のタイミングを計ってきて、それが今だったということなのでしょう」

 と話すが、評論家の唐沢俊一氏も、

「山口百恵やキャンディーズと安室奈美恵を比較すると、同じ引退でもその性格はむしろ真逆です」

 として、こう語る。

「芸能界での成功よりも結婚を選んだ山口百恵には、打算は感じられません。また、キャンディーズは今のようにアイドルが完全に商業化される前の、日本のアイドルブームの先駆け。ファンたちはノウハウもない空っぽの器に自身の青春を注ぎ込み、一体となってキャンディーズを作り上げていった。そのため、キャンディーズの解散は、自分たちの青春の喪失、という受け止め方をされました」

 一方の安室は――、

「隅から隅まで計算し尽くされた非常に人工的なものを感じます。彼女の代名詞であった厚底ブーツやミニスカ、細眉などがまさにその代表例です。人間性より、外見やイメージを先行させた売り方に徹することで若い女性が憧れるファッションリーダーという立ち位置を獲得した。その戦略の成功の証こそ、彼女の外見を真似る『アムラー現象』に他なりません」(同)

 HP上の報告には、

〈わたくし安室奈美恵は、2018年9月16日をもって引退することを決意致しましたので、この場を借りてファンの皆様にご報告させていただきます〉

 とあるのみで、引退を決意した理由には触れていない。これについては、

「引退の理由を語らないことにより、ファンはその裏にある事情を探りたくて仕方がなくなる。非常にうまいやり方です」

 と、唐沢氏。

「しかも、引退の1年前に発表することで、ライブのチケットをプレミア化して、発売が決まっているベストアルバムを売りまくろうという考えが透けて見えます。計算し尽くされた非常に人工的な引退発表と言えます」

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