ロレアル“創業者の娘”が遺した巨大資産の行方

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“世界一裕福な女性”リリアンヌ・ベタンクールさんが、9月20日夜、パリの自宅で死去。享年94。

 フランス化粧品大手「ロレアル」創業者、ウージェンヌ・シュエレールの唯一人の子どもで、経済誌「フォーブス」によると、総資産額は446億ドル(約4兆9500億円)、世界長者番付14位、女性富豪ランキングでは1位を独走していた。

 コスメ業界に詳しい評論家が言う。

「5歳で母を亡くし、15歳でロレアル入社。ラベル貼りの工員として働き始め、その後、父親の厳しい英才教育で帝王学を身に付けました。1957年に父親を亡くして以来、筆頭株主です」

 パリ在住のエッセイスト、長谷川たかこさんが語る。

「いつも明るい色の服を着て、エルメスのスカーフを巻き、ブルジョワっぽくエレガント。思ったことをはっきり言う人でした」

 一転、晩年の彼女はスキャンダルの渦中にあった。2006年には認知症とアルツハイマー病を併発。そこにつけこんだのが、老いらくの恋のお相手、25歳も年下の写真家、フランソワ=マリー・バニエだった。

「老婦人に取り入る才能がある自称アーティストは、現金、株券、美術品、島など総額9億9300万ユーロ(約1331億円)をゲット。娘フランソワーズはバニエを訴えます」(同)

 だが法廷で反論したのは、なんと当の母親だった。

「『ボケてなんかいない。私は一人の自由な女。あの人は20年来の大切な彼氏。口出しされる覚えはない』と娘を憎悪します。男には15年、懲役3年、罰金1億5800万ユーロ(約208億円)の判決が下りました」(先の評論家)

 して、遺産の行方は?

「リリアンヌの夫も07年に死去したので、遺産は娘が相続します。すでに彼女が管理する信託に預けられたようです」(同)

 世に銭程面白き物はなし。

週刊新潮 2017年10月5日号掲載

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