日野皓正ビンタ騒動で「戸塚ヨットスクール」校長が語る「体罰の本質」
そもそも体罰とは一体、何なのか?
今も記憶に新しい、ジャズトランペット奏者・日野皓正氏(74)のビンタ事件。体罰を巡る大論争にも発展したが、改めて冷静に考えてみると、一体何を「体罰」とするのか、分からなってくるのも事実だ。
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文部科学省は「学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例」という文書を公開している。体罰の具体例として示されているものから、4つのケースを抜き出してみよう。
(1)体育の授業中、危険な行為をした児童の背中を足で踏みつける。
(2)帰りの会で足をぶらぶらさせて座り、前の席の児童に足を当てた児童を、突き飛ばして転倒させる。
(3)放課後に児童を教室に残留させ、児童がトイレに行きたいと訴えたが、一切、室外に出ることを許さない。
(4)授業態度について指導したが反抗的な言動をした複数の生徒らの頬を平手打ちする。
最後の(4)だけは、一般的な体罰のイメージに近いかもしれない。だが(1)から(3)を、我々は体罰と呼ばないのではないだろうか。「足で踏みつける」、「突き飛ばす」というのは本当の暴力という印象だし、(3)は単なる監禁だ。
他にも様々な具体例が示されているが、我々にとって最もなじみ深い「宿題を忘れた児童・生徒の頭を、先生がゲンコツで、ゴツンと叩く」というのは、どこにも書かれていない。
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