「稲田朋美」お詫び行脚で語った大臣辞任「裏話」

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“防衛省、自衛隊としてもお願いしたい”

 都議選の演説で迷言を放ち、自民党の大敗北に貢献。さらに、PKOの日報問題で、破棄されたはずの文書が実は保管されていたことを知っていたという疑惑が浮上し、ようやく7月末に防衛相を辞任した稲田朋美氏(58)。表舞台から姿を消した彼女はその後、地元の福井1区で、“お詫び行脚”を続けているという。

 地元紙記者の話。

「お盆明けあたりから、地元で彼女の姿をよく見かけるようになりましたね。秘書を伴い、市会議員やJA幹部など、後援者ひとりひとりを回っては深々と頭を下げ、『これからは、初心に立ち返って頑張りますので、またよろしくお願いします』と、涙を浮かべていました。当初こそ、頬もこけ、表情もやつれ、憔悴しきっているという印象でした」

 しかし、

「マスコミが衆院解散の第一報を報じた直後、地元の敬老会で挨拶したのですが、選挙モードに切り替わっていましたね。謝罪の言葉もそこそこに、“地元のおっかさんとして頑張ってまいります”と声を張り上げ、笑顔も晴れやかでした」(同)

 もっとも、まだここまでなら他の“しくじり先生”らの振る舞いと大差はない。

「先日会った際、大臣辞任の経緯について本人の口から説明があったのですが、その内容が驚くものでして」

 とは、彼女の有力後援者。

「彼女曰く“官邸が岡部さん(陸幕長)だけじゃなくて、黒江さん(防衛事務次官)まで辞めさせると聞き、官邸にすぐにアポを取り、総理に自分も一緒に辞任することを申し出た”そうなんですが……」

 稲田氏の辞任裏話は続く。

「“安倍総理は、『稲田さんまで辞める必要はない』と、何度も突っぱね、辞任をなかなか許してくれなかった”と」(同)

 それでもなお、

「“自分の信条として、あの2人が辞任するのに、自分だけ大臣の座に残ることなんて絶対にできない。辞めさせてくださいと懇願し、ようやく総理に辞任を認めてもらえた”と仰るんですが、果たして安倍さんがあの時、そこまで彼女を庇うものかと、さすがに疑問に思いました」(同)

 政治ジャーナリストが呆れる。

「この期に及んで安倍首相からの寵愛をひけらかし、虎の威を借るあたり、自分が犯した失態を早くも忘れているとしか思えません。今回の選挙もさしたる対抗馬が出ず、楽勝ムード。当選して禊ぎが済めば元通り、と勘違いしているのでは」

 政治家、人間としても、一からの出直しをお願いしたい――。

2017年10月5日号掲載

特集「嘘と恨みと私利私欲 落としたい『政治屋』」より

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