「自民」「小池」に二股で… 公明・太田昭宏のヌエ選挙

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 よっぽど赤絨毯に縁のあるお人である。党規定の定年を超えているものの、前回は「現職大臣」、今回は「急な解散」との理由で、棚ボタ出馬を果たした公明党、太田昭宏・前国交相(71)。

 しかも、今回の選挙は、

「選挙区事情が大きく味方しています。8回目の当選は固いでしょう」

 とは政治部デスクである。

 お膝元の東京12区では、自公連立の下、自民党が対抗馬を立てないのに加え、

「『希望』も候補者擁立を見送る方針です」

 都内の候補者はみな都知事の刺客に戦々恐々。しかし太田氏はその恐怖から逃れるばかりか、この地は民進党も弱く候補者を立てられないため、事実上、共産党との一騎打ちで済んでしまうのだ。

「公明のえげつない『二股戦術』ゆえの結末です」

 と、苦々しげに種明かしをするのはさる都政関係者。

「昨年来、都議会の公明党は、小池さんの人気にすり寄り、自民を裏切って都民ファーストと連携してきた。一方の都民ファは公明と組めなければ、過半数を取れない。ゆえに、同根の『希望』は、彼らの機嫌を損ねられず、12区だけは候補者を立てない“配慮”を示しているのです」

 自民と小池、国政と都政。形(なり)振りかまわぬ“ヌエ戦術”で「漁夫の利」を得たのが太田氏というワケなのだ。生き残りありきの節操のなさには唖然とするが、これこそが公明党の本質とも言える。

週刊新潮 2017年10月5日号掲載

特集「嘘と恨みと私利私欲 落としたい『政治屋』」より

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