東芝メモリ売却、矢面に立つ“再建屋”杉本勇次

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 スッタモンダの末、ようやく東芝メモリの売却先が「日米韓連合」に決定した。とはいえ、依然として問題は山積で上場廃止の危機は燻り続けている。売却手続き完了のリミットは来年3月末だが、難しい舵取りを担うのは東芝の綱川智社長ではなく、“超大陸”のトップだった。

 東芝メモリ売却先の決定記者会見は、9月28日午後5時30分から開かれる予定だったが、

「本日の会見は、中止させていただきます。ご理解いただきたい……」

 こういって記者たちに頭を下げたのは「日米韓連合」の1つ、米ファンド「ベインキャピタル」日本法人の杉本勇次代表(48)だった。突然の会見中止で、会場には記者たちの怒号が飛び交い、矢面に立たされた杉本氏は頭を垂れ続けていた。

「記者会見を開けなかった原因は、参加企業の意思統一が図れなかったことでしょう」

 こう解説するのは、経済誌の家電業界担当記者だ。

「日米韓連合には、参加企業が多い。議決権の50%超を保有する東芝と、メガネレンズで知られるHOYA。そして韓国大手半導体メーカーのSKハイニックス、米国のアップルなどIT企業数社が名を連ねています。また、東芝と米半導体メーカー、ウエスタン・デジタルの係争解決後には、政府系ファンドの産業革新機構と日本政策投資銀行も加わる予定です」

 売却の手順は、今年6月に設立された受け皿会社の「パンゲア」に各社が資金を出し合って、東芝から東芝メモリを約2兆円で買い取った後、新会社を設立して完了する。

この受け皿会社のトップを務めるのが、記者会見で頭を下げ続けた杉本氏だ。ちなみに、社名の「パンゲア」は2億年以上前に存在した“超大陸”に由来しているという。

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