金正恩、ビットコインでも稼いでいたミサイル代

国際 韓国・北朝鮮

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 今年に入り、次々にミサイルを連発してきた北朝鮮。だが、世界有数の貧乏国家のいったいどこにその資金があるのか……。

「米国ネットセキュリティ大手ファイア・アイ社の調査レポートが、そのヒントになるかもしれませんね」

 と教えてくれるのは、ネット技術の専門家。

 9月11日に公開されたのは「なぜ、そんなに北朝鮮はビットコインに興味があるのか」という報告書。

 ネット空間だけに存在する仮想通貨のビットコインは、金融機関を通さずに世界中で流通していて、匿名性があるのが特性だ。

「だから、ハッキングで盗んでもアシがつかない。実際、組織犯罪の世界や、政府が信用できない国での流通が多いのもビットコインの実態なんですよ」(同)

 同報告書によれば、主に狙われたのは、韓国のビットコイン取引所。そのうちの一つ「YAPIZON」では、今年4月にビットコイン3800枚(約16億円相当)がハッキングにより奪取される事件があった。他の類似事件を含めて、北の標的となった取引所には、彼らがよく使うウイルスソフトの痕跡がそこかしこに残っていた。

 ある北朝鮮ウォッチャーも次のように話す。

「知り合いを装った“フィッシングメール”を取引所関係者に送ったりもしていますが、これは外国人が書くと、どこか文章が不自然でばれるもの。でも、韓国ならば同文化、同言語だし、各種の工作でノウハウの蓄積もたっぷりある。韓国を狙ったのは合理的ですね」

 稼いだビットコインは、金王朝直轄の資金管理組織“39号室”に上納され、兵器密輸の利益などと共にプールされているそうだ。

 1発数億から数十億円とも言われる大小のミサイル。あと何発撃てるのか……。

週刊新潮 2017年9月28日号掲載

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