ホリエモン「放火犯に前歯のインプラントを折られ…」 井川意高と語った獄窓対談
インプラントを折られたホリエモン
堀江 オウム真理教に入信した奥さんを殺した元経営者もいました。娘も入信させて家庭崩壊したのはお前のせいだという理由で。僕に「俺は悪くない。手記を書きたいんで田原総一朗さんを紹介して」と頼んできたりして、相当にウザかった。とにかく、トラブルメーカーで、みんなに苛められて、最終的には別の工場に移っていった。ほかに殺人犯では、ちょっと精神的に病んでいて、躁鬱なのかな、突然、宅配便の人を刺し殺したというのもいました。結局、その人は検査でがんが見つかって、八王子医療刑務所に移送されたあと、死んじゃったそうです。あと、窃盗で捕まった人が心臓病持ちで、冬の行進に耐えられなくて、ある日突然倒れて。1カ月後に看守から亡くなったと教えられ、みんなで手を合わせました。
井川 うちでも、夜中に心筋梗塞で倒れた人がいて、救急車が来たけど外には連れ出さず、救急隊員が応急処置をして終わり。でも、数週間後にまた倒れて、今度は亡くなってしまった。刑務所の外にいれば心筋梗塞なら即入院のはずです。死刑囚じゃないんだからおかしいですよね。
堀江 僕自身の身体のことで言うと、腎臓結石が検査で見つかったんだけど、結局、石が落ちてこなくて、激痛を味わわずに済んだ。でも、小児麻痺の放火犯に前歯のインプラントを折られました。かなりの癇癪持ちで、懲罰を10回以上受けているのに、うちの工場に必ず戻ってくる。ラストリゾートなので。
井川 オタ工のエリアだからね。
堀江 工場から舎房に戻ると、舎房着に着替えなければならないんだけど、そいつは自分で着替えられない。だから、衛生係の僕が手伝って、そいつが脱いだ工場着を無造作にハンガーにかけたら「きれいに、きれいに」とかブツブツ言ってて、「もう行くよー」と無視したら、突然、殴りかかってきた。
井川 たかぽんが懲罰にならなくて良かった。喧嘩両成敗にされていたら危なかった。
堀江 いや、本当に危なかったですよ。
井川 刑務所生活を経験して、しみじみと感じたのは友人に恵まれたということです。誰一人、掌を返したような友人はいなかった。私は傲慢な人間だけども、色々な人に助けてもらったり、お返しに人を助けたり、精神的な面で支え合うのも悪くないなって。昔よりは、やさしくなれました。
堀江 僕の場合は、刑務所が役に立ったことと言えば、痩せたことかな(笑)。
井川 確かに、メタボの人は、3カ月から半年くらい入るのはいいかも。
堀江 刑務所では、お酒は飲まないし、夕方5時に夕飯を食べて、9時には寝る。そういった生活では、太りようもない。ダイエットには、最適。3カ月くらいなら刑務所に入るのも、いいかもしれません。
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