“ポスト宮里藍”に名乗り 初V「川岸史果」米ツアー挑戦

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 宮里藍がフランスで引退試合を終えたその日、日本ではニューヒロインが誕生した。

 国内女子ツアー「マンシングウェアレディース東海クラシック」(愛知・新南愛知CC美浜C)で、ツアー6勝を誇る川岸良兼(50)の娘、史果(ふみか)(22)が初優勝を果たした。

 彼女は、母親もプロゴルファーという血統ながら、プロテストに3度も落ちている苦労人だ。

 ルーキーイヤーである今季も紆余曲折が続いた。

 開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で2日目、3日目と首位に立って派手に紙面を飾ったが、最終日最終18番、首位タイで並んでいた同組のアン・ソンジュにバーディを奪われ、1打差で後塵を拝した。

 4戦目の「アクサレディス」も2日目首位ながら最終3位、メジャー初戦「ワールドレディス」も1、2日目首位ながら最終4位に終わっている。5月は3週連続で2日目4位と好位置につけていたが、いずれも優勝は逃している。

 これほど“勝ち切れない”“勝負弱い”選手というのも珍しい。そんな彼女だから、優勝後の記者会見は、

「やっと勝てましたね」

 という記者のねぎらいから始まった。

「やっとです。(優勝がわかった時は)本当にホッとしました」

 と史果。この日は、首位と2打差の7位とさほどプレッシャーがかからない位置からのスタートだった。圧巻は3番のチップインから始まった6連続バーディ。ノーボギーの64と完璧な内容だった。

 今大会の優勝賞金1440万円を加えた年間獲得賞金は7017万円。トップを走るキム・ハヌルに3683万円差に迫る5位に浮上した。

 だが、本人の目標は別にある。10月、米ツアーの来季出場権を懸けた予選会に出るのだ。だから、

「アメリカに行く前に優勝できて、本当によかったですね」(同)

“ポスト藍”に名乗り。

週刊新潮 2017年9月28日号掲載

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