「アルツハイマー」根治の夢の治療薬 臨床試験は最終段階

ドクター新潮 医療

  • ブックマーク

 生活改善で予防がまかなえればそれに越したことはない。が、確たる自覚もないまま軽度認知障害(MCI)を経て初期認知症へ、といったケースは枚挙にいとまがない。その時、すがるのはやはり科学の進歩であろう。

 ***

 香川大学医学部の中村祐教授が言う。

「世界には現在、アルツハイマーの治療薬は4つしかありません。うち3種は、記憶や学習など認知機能に関係する神経伝達物質『アセチルコリン』の不足を補う薬。もう1つは、同じく脳内で情報の伝達を司る『グルタミン酸』の毒性を抑える薬ですが、いずれも対症療法でしかない。...

つづきを読む