実業家から一転、衛生係と図書係に… 「井川意高」「ホリエモン」“ムショ生活対談”
堀江「憧れの仕事ですよ」
堀江 うちでも、ピンク(性犯罪の受刑者)がよその刑務所に行ったら、類が下がって戻ってきた。うちは規則が緩いけど、その調子でよそへ行くと、懲罰を食らうわけです。
井川 あと、看守によっても懲罰を食らうかどうかが違うよね。
堀江 僕の担当看守の配置は、おそらく“僕シフト”が取られていた。担当看守は、長野で一番の人格者だったのですが、僕が入るちょっと前にそこに来て、僕の出所と同時にいなくなった。
井川 確かに、それはたかぽんシフトだよ。うちもそうだったもん。私が刑務所に入る数週間前に、配属予定の工場の担当が代わった。その新しい看守は、ちょうど私が満期になるころに定年になる人で、「俺は井川が仮釈放になったら、早期退職するんだ」っていうのが口癖でした。私が就いたのは、図書係です。刑務所のなかのホワイトカラー(笑)。
堀江 いや、もう憧れの仕事ですよ、僕からすると。
井川 仕事は、差し入れの本のチェックです。民営なので、セコムがレントゲンを通すのですが、見落としもあって、ラブレターや5000円札が挟まっていたりする。昔は、図書係に本を読ませないように、本をさかさまにしてチェックさせていたらしい。私のときは、さすがにそんなことはなかったですけど。ただ、後ろに偉い看守が来たのに気づかずに本を読んでいたら、“井川! お前、それは作業をサボっていると見做す。次見つけたら、懲罰だ”と怒られたことがあった。だいたい、そんなに作業することも多くはなかったんですがね。
堀江 いま、刑務所では懲役刑っていうのが形骸化している面がありますから。
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(3)へつづく
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