高級車窃盗団50人を率いた女ボス 3度服役も今は1児の母で「心から悔いてます」

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 11日、関東近郊や福島県など6県でトヨタのハイエースを狙い、盗みを繰り返していたグループの指示役とみられる男が逮捕された。130件以上の窃盗事件に関わったとみられている。この男とは別件となるが、過去に自動車窃盗団のボスだった女性の告白が話題となっている。

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「男でも女でも、裏社会で生きてるもんで、この女の名前知らん奴はモグリやな」――そう語られる亜弓さん(仮名)。

 中1で不良デビュー、教師を蹴り倒して高校を退学後は女アウトローを地で行く破天荒な生活。

 覚せい剤常習のぶっ飛んだ日々の中、目指したのは自動車窃盗のプロだった。

 当時、つき合っていた彼のシノギがクルマだったのだが、「(自動車窃盗は)まあ、女では無理やわ」と言われてカチンときた亜弓さん。

 もともと負けず嫌いな彼女の闘争心に火がつき、寝食を忘れて「技」を磨き、腕を上げた結果、25歳になる頃には50人以上の男たちを率いるまでにのし上がる。

「車の窃盗で、せっかちに車体に傷をつけるようなことをするのは、アマチュアです。いかにキレイに車を盗むか、素早く犯行を行うかというスキルが問われます」

 実際の手口は『組長の妻、はじめます。 女ギャング亜弓姐さんの超ワル人生懺悔録』(廣末登・著)に詳しいが、華麗な仕事ぶりから、その筋でクルマの第一人者と呼ばれるまでになり、亜弓さんにかかれば盗めない自動車はないと言われた。

 ただ、鍵が構造的に複雑な外国車に関しては、強硬手段に出る。

「まず『乗り逃げ』です。これ、狙った車を停めて、『すいません、ケガして血が止まらないのですが、ドラッグストアまで乗せてくれませんか』とお願いします。すると、親切なドライバーは(まあ、100%親切な方でした)、近くのドラッグストアまで乗せて行ってくれます。そこで、『血止めと絆創膏をお願いします』と言いますと、買いに行ってくれますから、その隙に車を奪います」

 また、持ち主の不注意が災いする場合もある。

「つぎに『ハザードダッシュ』です。これは、よくコンビニの前とかにハザードを点けて、エンジンを切らずに停車してる車を、そのまま頂戴する方法です。一度、スタートしたところ、後部座席に赤ちゃんが乗っていたので、かなり焦ったことがあります。その時は、ただ車を少し移動させただけにとどまり、ハザードを点灯したまま急いで退散しました」

 こうして入手した盗難車を様々に加工し、「必要とする人」に売ることで稼ぎが出る。 自分用にもお気に入りの日産シーマを手に入れるが、足がつかないように汚れてくると「処分」して、次のシーマに狙いを定めていたという。

 いずれにしても、盗まれた方にしては怒り心頭に違いない。

 当然、悪事には天罰が下るもので……。

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