進路表明「清宮幸太郎」行間ににじむ“意中の球団”

スポーツ 野球

  • ブックマーク

三拍子揃った球団

 また、清宮は、

〈早実の先輩である王貞治さんの868本を目指せるような選手になりたい〉

 と述べた上、本塁打王のタイトルについても意欲を見せている。

「なので、本塁打が出やすい球場を本拠にする球団に食指が動くでしょうね」

 例えば、横浜スタジアムは12球場で最も狭く、本塁打も多め。福岡ヤフオクドームも、一昨年外野席を増設して本塁打が急増した。Koboパーク宮城はフェンスが低いためライナー性の飛球がスタンドインしやすく、広いわりに本塁打が多い。一方、甲子園球場は、浜風の影響で、特に左打者は本塁打を打ちにくいとされる。清宮は左打ち。克幸氏は虎党だというが……。

 そして第三の注目発言が、

〈夢はメジャーで活躍すること〉

 リトルリーグ時代にヤンキースタジアムで世界大会を経験した清宮は、ことさらメジャー志向が強いが、この発言の裏に隠れているワードは“ポスティング(米球団による入札制度)”。

「大谷翔平の日ハム入団時に噂された“ポスティング容認”の密約。清宮もそういうものを求める可能性が高い。例えば巨人はポスティングを認めていませんが、その“哲学”をまげてまで彼を獲りに行くのか……」

 というわけで、これらの条件を全て満たして余りある球団がある。

「ずばりヤクルトです。山田哲人という高卒スラッガーを短期間で一流選手に仕上げた実績があり、12球場で最も本塁打が多い神宮球場が本拠地。青木宣親がメジャーに挑戦する際は、球団が大損を承知の上でポスティングに出しています」

 加えて、東京は彼の地元で、神宮は庭のようなもの。

「ヤクルトは今季最下位のチームですから、比較的レギュラーも獲りやすい。彼のポジションである一塁手も今のところ空いています」

 注目のドラフト会議は10月26日に開催される。

週刊新潮 2017年10月5日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。