「洗脳不倫」慶大教授、過去には教え子に“ストーカー”行為

国内 社会

  • ブックマーク

女にやさしく男にキレる

 優位な立場を利用して学生を「洗脳」し、不倫に導いた奥田教授の罪も、それを放置している大学の責任も、十分に重いはずだ。

 しかし、奥田教授が過去にも同様の過ちを犯しながら、大学が揉み消した結果、また同じ不幸が起きていたとしたら、菜穂さんのケースは大学による人災とさえ言えるだろう。

「一昨年7月、ゼミの1年先輩の山田友里さん=仮名=から事情を聞いて、事態を知りました」

 と語るのは、奥田研究会に在籍していたSFCの4年生である。

「奥田先生に粘着質に付きまとわれ、悩んでいるというんです。電話やメールは何百件も来るし、自宅の周りで張り込まれたと。山田さんのマンションはオートロックだったのに、ある日、ドアを開けたら奥田先生が立ってて、慌てて閉めたそうです。完全なストーカーですよね。先生からのメールを見せてもらうと、“あなたが帰って寂しい”とか“今日は月がきれいで”とか、“妻と別れて結婚”みたいなのもありました。山田さんはゼミの先輩と交際していて、気づいた先生から、引き離すような嫌がらせも受けていました」

 言われてみれば、奥田教授は最初は「山田さん」と呼んでいたが、最近は「友里ちゃん」だ。それを聞いて、この女子学生も思い当たることがあったという。

「私の呼び方も同じように変わっていて、山田さんが言うには“次に狙われるのは、あなたともう一人だから”と。奥田先生のアプローチは狡猾で、お気に入りの子は、留学を思い止まるように説得されたり、ほかの語学をやりたいと言うと必死に止められたりします。私も、アラビア語の補習だと言われて行くと私一人で、マンツーマンの指導が夜まで、ということがありました。ただ女の子には概してやさしくて、男性は、先生が話しているとき机に手が載っていただけで1時間くらい説教されたり、個人指導のときも急にキレられたり暴れられたりする。周りにいるのは女性だけでいい、という態度で、一種のハーレム状態なんです」

次ページ:大学の口封じ

前へ 1 2 3 4 次へ

[3/4ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。