ウンザリする「自衛隊は憲法違反」の神学論争 9条加憲“陸海空”座談会
「9条加憲案」に意味はあるか――陸海空「現役自衛官」緊急座談会(3)
陸海空5人の現役自衛官が匿名を条件に語る座談会。安倍総理は悲願の憲法改正成就のため、9条に自衛隊の存在を明記する「加憲」を打ち出すが、現場に立つ彼らの本音はいかに。最終回となる今回の話題は、かねてより議論される“憲法解釈”について――。(各人のプロフィールについては第1回をご参照ください)
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海自A こうしている間にも、海では日々命がけで領海侵犯などの現実の脅威と対峙しているんです。空自Cさん、そちらもそう思うでしょう。
空自C そうですね。災害派遣など、国民から直接「ありがとう」と言ってもらえる機会が多い陸自さんを羨ましいと思うこともあります。一方で中国やロシアなどの領空侵犯も増え続けてスクランブル発進が日常茶飯事になっていますから、「いつ戦闘が起きてもおかしくない」という危機感を持っています。領空侵犯対処から突発的な衝突が起きた場合のことを考えると、専守防衛でどこまで戦えるだろうか、という疑問もあります。ジェット戦闘機の戦いはコンマ何秒の世界ですから、敵から撃たれて初めて反撃できる、なんて言っていたら殺されるのは目に見えています。自衛官である以上、死ぬのはみんな覚悟してますが、その死に対してはやっぱり国家から名誉が与えられるべきですよ。国のために戦って死んだのに、「反撃は適切だったか」なんて国会論戦が始まったり、ましてやその時ですら「憲法違反だ」なんて言われたら、殉職した隊員が浮かばれません。
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