鈴木亮平、大河ドラマと舞台劇の「ダブルブッキング」は無謀か挑戦か

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「西郷(せご)どん」と「トロイ戦争は起こらない」で共に主演

 次回のNHK大河ドラマは「西郷(せご)どん」だ。2018年1月スタート。原作・林真理子、脚本・中園ミホ、そして主演が鈴木亮平という組み合わせに期待が集まっている。だが芸能界では、主演・鈴木亮平の「ダブルブッキング」が密かな話題になっているという。

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 芸能界やテレビ業界でダブルブッキングと言えば、「違う局の、同じ時間帯の番組に出演する」や、「撮影時間帯を重ねてしまう」など、要するに仁義にもとる行為を指す。では鈴木亮平は、どんなルール違反に手を染めたのか。テレビ局関係者が明かす。

「大河ドラマの撮影は、放送開始前はもちろんのこと、開始後も続き、丸々1年間に及びます。その間、主演級の役者は大河ドラマの撮影を最優先とし、他の仕事は一切入れないというのが、一種の不文律なんです。他の仕事を挟んだために、後から『役作りが不十分だった』と批判されたりするのは、役者にとっても不本意ですからね」

 ところが鈴木亮平は、この不文律を破ったと囁かれているのだ。

「鈴木は10月5日から『トロイ戦争は起こらない』という舞台の主役も務めます。22日まで東京の新国立劇場で演じ、更に26、27日は兵庫県のステージにも立ちます。大河ドラマの撮影期間中に、別の仕事のブッキングが認められるのは異例中の異例です」(同)

 鈴木亮平のスケジュールをまとめてみよう。「西郷(せご)どん」の主役が発表されたのが16年11月2日。そして17年7月6日、鈴木亮平のブログに《『西郷どん』にインしてみる》がアップされ、「クランクインしました」と報告されている。撮影がスタートしたのだ。

 8月11日《大河ドラマのセットって》、30日《西郷どん解禁!》と撮影の話題が続くが、その間の19日《台本》では、「ぴったんこカン・カン」(TBS)の収録と、18日に舞台「トロイ戦争は起こらない」の本読みが行われたことが分かる。

 この記事で「西郷(せご)どん」については、《クランクインから早一ヶ月以上経ったこちらも、順調に撮影中でごわす(略)前から聞いてはいましたが、大河ドラマは8話分とかを同時進行で撮っていくので、油断すると今自分が何才だったかとか、「あれ、あの出来事ってもう起こってたんだっけ?」とか、訳が分からなくなります(笑)》と打ち明け、《きちんと、ワンシーンワンシーン、丁寧に…かつパワフルに演じていかなくては》と自らに喝を入れている。

 9月2日「今日は宗像フェス」と3日「宗像フェス」の記事では、1日に大河ドラマの鹿児島ロケが終了。それから新幹線で福岡県に移動。2日に野外イベント「宗像フェス」の司会を担当し、3日から「トロイ戦争は起こらない」の舞台稽古を始めている。

「他の仕事は一切入れない」どころではない。単純に忙しいようなのだ。鈴木亮平のような実力派の役者が人気というのは嬉しいニュースではある。どんな芸能人でも、多忙こそ望ましい状態でもあるだろう。

 とはいえ、この掛け持ちは、あまりに負担が大きいのではないか。片方は大河ドラマ、もう一方は「世界の演劇史に燦然とその名を残す」翻訳劇。どちらも本物の重量級だ。その主役となれば、演技力だけでなく、要求される体力や気力も桁違いだろう。我々素人でも「大丈夫か!?」と心配になる。

「異例のダブルブッキングが許可されたのは、ホリプロとNHKが特別な関係にあるからなんです。09年の『天地人』は妻夫木聡、12年『平清盛』は松山ケンイチ、13年『八重の桜』で綾瀬はるかと、ホリプロに所属する役者が大河の主演を務める例が増えています。大切な供給元ということで、NHKは鈴木のダブルブッキングを黙認しているんです」(前出のテレビ局関係者)

 NHKの子供向け番組「おかあさんといっしょ」で、歌のお兄さんを務めた横山だいすけは、番組出演中は立ち食いや車の運転がダメだと指示されていたことを明かしている。大河ドラマとなれば、更に厳しい契約が結ばれていても不思議はない。そこでNHKに①ダブルブッキングの経緯と、②ダブルブッキングを契約で禁止しなかったのか、この2点について取材を申し込んだ。

 回答はFAXで届けられたが、①については「舞台出演については承知していますが、出演者側の打ち合わせなどの制作過程についてはお答えしておりません」とし、②も「質問にあるような契約は通常ありえません」と全否定となった。

 ご存じの通り、鈴木亮平の演技力は高い評価を受けている。出世作の1つ、映画「HK変態仮面」(福田雄一監督)では筋肉質の体を作るため、体重を15キロ増やしてから脂肪をそぎ落としていくという、ロバート・デ・ニーロを彷彿とさせるエピソードも有名だ。

 鈴木本人は、このダブルブッキングに燃えているに違いない。どちらも成功させることができれば、役者として大きく成長できるのは言うまでもない。初戦となる10月の舞台は、目前に迫っている。

週刊新潮WEB取材班

2017年9月25日掲載

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