細工は流々で「日本郵政株」追加売却の“落し穴”

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 大台を突破したのも束の間、日経平均株価は2万円台目前で足踏みを続けている。そこで証券業界が“起爆剤”と期待を寄せているのが、今月中に売り出される日本郵政株だ。財務省は1・4兆円分を売却し、そのほとんどが個人投資家向けに販売されるという。果たして、飛びついていいものなのか。

 財務省による日本郵政株売却は、2015年11月に次いで今回で2回目。上場時は公募価格1400円に対して、1631円の初値を付けていた。業界紙記者によれば、

「上場から1カ月後に株価は1999円を付けましたが、結果的にこれが上場来高値になりました。その後は上昇気流には乗れず、今年に入って豪州・物流子会社の“不正会計”が発覚した影響で民営化後、初の赤字に転落。また、起死回生を図った野村不動産ホールディングスの買収も頓挫したことで、9月5日の株価は年初来安値の1272円まで値を下げましたが、その後1400円台を回復しています」

 実は、財務省は今年7月に追加売却を予定していたが、悪材料が重なったことで2カ月延期していたのである。とはいえ、大型株の追加売却だけに兜町の住人達は浮足立っている。

「日本郵政株は、かなりお買い得だと思います」

 こう熱心に売り込むのは、大手証券会社の営業マンだ。

「確かに、“不正会計”の発覚や野村不動産HDの買収は頓挫しましたが、すべて過去のこと。“不正会計”は拡大する恐れが極めて低いし、手元には豊富な資金が残っているので、今後は別の大型企業買収を期待できる。日本郵政の株価は、今が“底値”と考えていいのではないでしょうか」

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