“災害時の活躍ばかり礼賛”はおかしい――「現役自衛官」たちが語る本音

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「9条加憲案」に意味はあるか――陸海空「現役自衛官」緊急座談会(2)

 9月末に開かれる臨時国会では、憲法9条に自衛隊の存在を明記する「加憲」の是非が論じられる。陸海空の現役自衛官5名がその意味を問う座談会では、憲法の英訳“forces”をめぐる矛盾など、自衛隊の置かれる立場についても話が及んだ。(各人のプロフィールについては第1回をご参照ください)

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海自A 英訳問題で思い出しましたが、海上自衛隊は海外に行くと当たり前のように“Japanese Navy”と呼ばれています。付き合いの深い米海軍などは、「カイジョウジエイタイ」と呼んだりしますが、それも日本の政治的事情を熟知した在日米軍の高級将校に限った話で、現場ではネイビーと呼ばれることも多い。つまり、世界では海軍と認識されています。

陸自D 海自さんはそれが嬉しくって海外ばっかり行ってるんでしょう(笑)。冗談はさておき、海と陸ではやっぱりメンタリティーが違いますよね。海の人は「自分たちは帝国海軍の後継者」と考えているし、それを誇りに思っている節もありますが、陸ではちょっと違います。私が入隊した頃は、「お前たちは旧陸軍とは違う。天皇の軍隊ではなく、国民の自衛隊なんだ」と繰り返し言い聞かされたものです。

海自A たしかに海自では旧海軍の軍歌も日頃からよく歌いますし、艦の名前から号令のかけ方まで、旧帝国海軍の伝統をほぼ忠実に受け継いでいます。変わったのは、軍艦を「護衛艦」と呼ぶようになったくらいですかね。

陸自B まあ陸自も海外派遣で“Army”と呼ばれることはあります。空自はどうですか?

空自E 空自が陸や海と比べてどうかというのはよくわからないけど、皆さんと話していると、陸海空の違いよりはむしろ世代の違いを感じてしまいますね。皆さんお若いですから、国民から白い眼で見られたという実体験はほとんどないんじゃない? 私たちの世代では、やっぱりまだまだ反自衛隊みたいな風潮はありましたよ。さすがに面と向かって「税金泥棒」と言われたことはありませんが、居酒屋で同年代の大学生から「自衛隊なんてバカが行くところだ」と言われてケンカをしてみたり……。

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