政治家も芸能人も、会見を見え見えの“嘘”で言い逃れるワケ
根底に潜むのは現実逃避
先の5段階プロセスを振り返っておくと、自身の不倫が報道された場合、たとえ政治家であっても、芸能人であっても、「1・否認」と、「2・怒り」の段階で会見に望むため、あんな結果になってしまうというわけだろう。
報道から間を置いて、情報番組「ワイドナショー」(フジテレビ)に独占インタビューをさせることで世論の許しを得ようとした乙武洋匡氏の場合は、「3・取引」にチャレンジしたのかもしれない。しかしながら、これで妻が怒らないはずがなく、周辺からの反論が「週刊新潮」に報じられてしまう。
「根底に潜むのは現実逃避です。報道と世論の反応を見れば、結果の予測はつくはずでしょう。ですが、社会的地位を失ってしまうかもしれないという現実を直視することは、死を認めることと同じぐらい難しく、何より怖いことなのです。恐怖にかられた人間は現実から逃げようとします。否定に希望を見出すのです。否定すれば、いつか世論は納得してくれる。報道が間違いだったと信じてもらえる。そう考えるのですが、結局は現実逃避が生み出した錯覚ですから、実際の会見では手酷い失敗に終わります
ちなみに、不倫ではありませんが、元政策秘書への暴言・暴行疑惑で自民党を離党した豊田真由子衆院議員は、『1・否認』で乗り切ろうとしたように見えます。最近開いた謝罪会見でしおらしくふるまい、空涙を浮かべていたのは、一種の『3・取引』でしょう。ですが、『週刊新潮』の女性記者から、『お前の娘が通り魔に襲われて強姦されたらどうするのか』と発言した事実を豊田議員が当初は否定していたことを追及され、気色ばんだので、化けの皮がはがれてしまいました」(同)
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