男性ばかりの刑務所にたった一人拘留された女ギャングの末路

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囚人たちに襲われる恐れも

「取調室がある処遇部屋に行くには刑務所内の運動場をぐるりと迂回して行かなくてはならないのです。ですから、LB級の男子受刑者ともすれ違います。
 そこで、私は、水戸黄門のご隠居のように刑務官に取り囲まれて移動しました」

「喧嘩では女に負けたことがない。酒では男に負けたことがない」と猛女ぶりを豪語する亜弓さんは、いくらなんでも大袈裟すぎると思い刑務官に不平を漏らすと、「以前、お前のように若くはないが、ここで女性刑務官が囚人に襲われたんや。自分の身が大事やったら、窮屈でも我慢せいや」と刑務官が言った。

「確かに、いつも受刑者の視線を感じましたし、彼らが運動などをしている時間に出くわしますと、彼らの視線が痛いほどでした。何より眼光の鋭さやイカツさが異様でした。そりゃあ、私もこの時は初入じゃありませんから、大拘(大阪拘置所)などで男性の被疑者を見ていますが、ここの住人は悪の貫録が違います。
『なるほど、この人らは何年も、ことによるとこの先一生女に触れることもないんやな。そりゃ、懲罰覚悟のハレンチ行為に及びたくなるのも仕方ないな』などと考え、生唾を飲み込み、水戸黄門に納得したものでした」

女子刑務所との違い

 女子刑務所入所経験のある亜弓さんにとっては、男子刑務所の食事でのご飯の量の多さや超ガッツリ系のメニューが驚きだったとか。また、女子向け食事では日常のデザートが無かったり、逆に運動会などの行事の際に出るお菓子の量が女子の5倍ほどだったことも印象深いという。

 女子トークがある程度許される女子刑務所とは違い、入所者との交流は一切なかったから、房にやってくるクモやヤモリに話しかけて退屈を紛らわせたとか。

 大阪の裏社会でその名を「知らない奴はモグリや」と囁かれたほど極悪だった亜弓さん。
「古今東西、我が国の女性の被疑者で男性のLB級施設に拘置されたり、グレーのナッパ服着せられ、被疑=被告=受刑者として刑務作業したのは、私くらいではないでしょうか」高級車窃盗団女ボスとして50人以上の手下を率いていたという亜弓さんをしても、LB級のイカツさには感じ入るところがあったということだろう。

デイリー新潮編集部

2017年9月22日掲載

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