SPEED辞任「橋本健・元市議」が神戸地検に白旗を掲げる理由
歯科医師としての処分にも注目
今井絵理子参議院議員との不倫が発覚し、政務活動費の詐取を認めた、元神戸市議の橋本健氏。現在の焦点は捜査の行方だ。果たして橋本氏は逮捕・起訴されるのだろうか。更に橋本氏の本業は歯科医師だ。犯罪行為に手を染めれば、医師と歯科医師には行政処分が下される。橋本氏の今後を、識者や関係者に聞いてみた。
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現在、橋本氏に対しては、少なくとも2件の刑事告発が行われている。
1件目は9月7日にオンブズマンの代表らが行ったものだ。容疑は詐欺と虚偽公文書作成・同行使。2010~14年度、橋本氏は市政報告書の印刷費名目で社長2人に虚偽の領収書を作成させ、それを添付した収支報告書を議会に提出。政活費計約914万円をだまし取ったとしている。
2件目は13日、神戸市議会が兵庫県警に行った。容疑は詐欺罪。告発内容はオンブズマンとほぼ同じだが、詐取した金額が908万円となっている。
橋本氏は全面降伏の姿勢だ。1件目の告発が行われる前日の6日、自ら神戸地検に出頭。任意の事情聴取に応じた。積極的に捜査へ協力する橋本氏の狙いは何なのだろうか。元東京地検特捜部検事の郷原信郎弁護士に聞いた。
「ある種のセオリーでもありますが、不起訴や起訴猶予を狙って、警察や検察の捜査に全面的に協力するわけです。取り調べにあたる刑事や検察官の心証を良くしたいわけですね。詐取したとする政活費も全額弁償すれば、少なくとも理論上は被害ゼロということになります」
騙し取った政活費は返します。議員も辞職し、社会的制裁も受けました。だから刑事裁判だけは勘弁して下さい……橋本氏の狙いを平たく言うと、こういうことになる。しかしながら、検察の取り調べが厳しいことは言うまでもない。
「検察は捜査を徹底的に行います。例えば、詐取したとされる約900万円の使い道を洗っていきます。全てが政治的な目的に使われていれば、情状酌量の余地が生まれるでしょう。それこそ心証が良くなるわけです。しかしながら、遊興費や蓄財に流れていたら、言語道断です。心証は悪くなります」(同・郷原氏)
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