「普通預金は損」のウソ 経済ジャーナリスト・荻原博子さんに聞く

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 銀行にお金を預けても、利息はほぼゼロ。むしろATMでお金を引き出すたびに108円、216円の手数料を銀行に取られてしまう。
 
 その一方でいま、様々な投資商品がメディアやネットにあふれ、「利回り3%以上」「豪華プレゼントつき」などとにぎやかに宣伝されている。

 普通預金しかしていない人は、知らないうちに損をしているのか? やっぱり投資はしたほうがいいのか? 

 この疑問について、この度『投資なんか、おやめなさい』という新刊を上梓した経済ジャーナリスト・荻原博子さんに聞いてみた。以下、同書をもとに荻原さんの解説を紹介してみよう。

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10万円預けても利息1円

 いま銀行にお金を預けても、お金はほとんど増えません。かつてない超低金利時代で、多くの銀行が普通預金の利率を0.001%にしているからです。これは10万円を1年預けたら、やっと1円利息がつくという利率。10万円以下では1円も増えません。さらにせっかくついた利息にも、約20%の税金が発生しますから、なかなか増えたとは感じられない。

 スズメの涙以下の金利だから、預金はバカバカしいと仰る方もいるのですが、そんな方にはちょっと発想を変えてみてほしいのです。

 発想を変えると言っても、家にお金をたくさん置いておく「タンス預金」は危ないので、やめたほうがいい。お金は銀行に預けましょう。

 なぜなら、普通預金は低金利ではありますが、ATM手数料を除いて目減りすることはないからです。利息はつきませんが、タダの金庫だと思って、大切に保管しておきましょう。

 確かに、預金には「増えないリスク」があります。けれど、「増えないリスク」と「目減りしないメリット」を天秤にかけると、デフレの中では「目減りしないメリット」のほうが大きい。目減りさえさせなければ、貨幣の実質的な価値は上がっているからです。デフレの中では、モノの価値は下がり、相対的に現金の価値は上がります。

 例えば、去年1万円だったものが、今年は9500円で売っているケース。もし、去年1万円出して買ったら、手持ちの1万円札は相手に支払って終わっていましたが、同じものを今年買えば、1万円払っても500円のお釣りがくる。つまり、1年間で1万円に対して5%の金利がついたようなものです。このように実質的な現金の価値は上がっているのがデフレです。

 ですから日本がデフレに突入して以来、私は「キャッシュ(現金)が大切」と言い続けてきました。

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