安値競争で懸念される「日本の軍事力」低下 三菱重工“連続落札失敗”がはらむ問題
撤退企業は…
09年に航空機用タイヤ事業から撤退を決めた横浜ゴムに聞くと、
「規模が小さくて利益率が低く、ラインを維持するコストが見合いませんでした。成長性もないため、10年で全て停止すると決めました」
と言い、レーダードームや燃料タンクなどを開発していた住友電工もまた、
「今後の成長が乏しいと判断し、将来にわたって事業継続が困難であると考えたため、09年から撤退を始めました。現在も完全撤退に至っておりませんが、毎年規模を縮小しており、方針は変わっていません」
軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏が言う。
「ひとたび防衛産業から撤退した企業が、再度立ち上げるのは非常に難しい。企業が儲けるためというより、防衛省が何とか企業をつなぎ止めようとしているのが実態といえます」
[3/5ページ]