両陛下、渡来人ゆかり「高麗神社」ご参拝へ

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 行先は、埼玉――。

 今回で8度目となる天皇皇后両陛下の“私的旅行”である。9月20日から1泊2日で、日高市、熊谷市、深谷市を巡られる。

 宮内庁担当記者の話。

「私的旅行といえば今年5月、陛下たってのご希望で、戦時中に疎開していた奥日光へ2泊3日で行かれる予定でした。が、直前に天皇陛下が風邪を引かれ、中止になってしまった。なので今回は、奥日光が行先かなと思っていたのですが……」

 埼玉がご訪問先として選ばれた理由について、宮内庁は“独自の文化がある地域を訪ねたいという陛下のご意向”としている。

「独自の文化というのは、最初のご訪問先、高麗(こま)神社のある地域のことを指しているのでしょう」

 とは、地元紙記者。

「この地域は、8世紀に、高句麗からやってきた1799人の渡来人が移り住み、その際、高麗神社を建立したのです。今も高麗駅前には半島由来の魔よけの柱が建っていますし、朝鮮風の郷土料理もあります」

 さらに、

「昨年は、移住から1300年ということで記念式典が開かれ、馳浩さん(元文科相)や高円宮妃久子さまも出席され、注目が集まっていました。陛下もご興味を持たれたものの、その年のご訪問となるとさすがに話が大きくなると考え、翌年にされたのでは」

 高麗神社の広報担当者は、ご訪問に喜びを隠せない。

「2~3カ月前に宮内庁から打診があり、準備を進めてきました。天皇陛下のご参拝は実は、神社創建以来、初めてのことです」

 今上天皇といえば、これまで、“桓武天皇の生母が、渡来人の子孫”という旨のご発言で、物議を醸したこともあるが、

「今回のご訪問と直接関係はないでしょうが、渡来文化への理解を深めたいという思いは根底にあるのでしょう」(先の宮内庁担当記者)

 両陛下はその晩、熊谷のホテルに宿泊され、翌日は渋沢栄一記念館などを訪問されるご予定だ。

週刊新潮 2017年9月14日号掲載

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