民進「前原誠司」新代表、共産党と決別も掲げる“共産的傾向”
消費税35%
かくて、ブレーンを得た前原氏は昨年10月、井手氏を党の調査会のアドバイザーに迎え、井手氏が名づけた〈オール・フォー・オール〉というキャッチフレーズを、そのまま代表選で叫んだのは前述の通り。だが、首を傾げるのは法政大学の小黒一正教授(財政学)だ。
「いまの社会保障制度のまま井手さんや前原さんの言う社会にするとしたら消費税を35%にしないと間に合わない。これは、シミュレーションでも分かっていることです。数字的根拠が甘く、非現実的。100人中99人の経済学者が不可能と言うでしょうね」
党の新体制も船出からグラついている。象徴的なのが人事だ。選挙の「顔」になるとして幹事長に山尾志桜里氏が内定していたが、党内の反発や男性問題の疑惑から土壇場で大島敦代議士に変更する事態になったのはご存じの通り。
「代表選では8人の無効票が出ましたが、彼らは“離党予備軍”。無効票の中には『井手英策』と書かれたものもあったそうで、党内には井手氏の主張を丸呑みしたことを揶揄する人たちもいるということです」(前出の政治部記者)
また、共産党との政策協定に「私たちの理念・政策に賛同してくれることが第一」とクギを刺した前原氏だが、選対委員長には共産党との選挙協力に前向きな長妻昭氏が就任。これまた“親共産党的”な人事でもある。
民進党からの脱藩組の受け皿になると見られている「日本ファーストの会」の若狭勝代議士が言う。
「我々からすると前原さんになっても民進党は統一感がありません。いったん解党するか分派しない限り、混乱は続くと思いますよ」
共産党には近づきたくないが、共産党的な政策を掲げる前原民進党。バラバラなのは相変わらずである。
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