バドミントン「奥原希望」日本人初の金メダル 支えた3人の男たち

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頭脳派のプレーを支える「負けん気」

 バドミントンS/Jリーグ運営委員会委員長・今井茂満氏(67)は、金メダルを取った勝因を、奥原の「頭脳」にあるとする。

「今回の世界選手権では、リオ五輪での反省をしっかり反映できていました。リオでは『繋ぐ』という意識が前面に出すぎて、かえって相手に打ち込まれていた。だから作戦を変更し、自分から積極的に打ち込んでいました。まさに頭脳派の選手と言えると思います。事実、数学が得意で、日本ユニシスの入社試験ではかなりの高得点を取ったそうですからね。頭の回転が速いんだと思いますよ」

 頭脳を支えるのは、やはり精神力の強さだ。

「普段はよく『腰が痛い、肩が痛い』なんて愚痴をこぼしているんですが、負けん気の強さは人一倍です。選手は試合前も笑顔が消えず、こちらも何でも話しかけられるタイプと、集中して完全に自分の世界へ入っていて、声さえかけられないようなタイプがいるんですが、彼女は完全に後者です。そうした精神力の強さは、お父さんの教育によるところが大きいのではないでしょうか」

 だが、父親の圭永さんは実のところ、娘にやらせたいスポーツは違ったというから、やはり人生というものは面白い。

「小学生までは水泳も習っていましたし、妻は音楽が得意なので、ピアノ教室にも通っていたんです。あと僕はアルペンスキーが好きで、元々はスキー部の顧問でした。長野オリンピックの手伝いをしたこともあります。実は娘にはアルペンスキーをやらせたかったんです。なのに小学校の高学年になる頃には、娘はバドミントン一色でしょう。寂しいという気持ちはありましたね」

 来年18年1月には、奥原の故郷、長野県で実業団1部リーグ「SJリーグ」の試合が行われる。盛り上がることは間違いないようだ。

週刊新潮WEB取材班

2017年9月13日掲載

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