“投手三冠”を狙う菊池雄星 「二段モーション」騒動

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 西武・菊池雄星(26)の投球フォームが物議を醸している。

 日本人左腕最速の158キロの直球を武器に、8月28日現在、防御率2・32はリーグトップ、169奪三振、12勝はいずれも2位と“投手三冠”を射程に捉えている。ところが、17日の楽天戦、24日のソフトバンク戦で、審判から“二段モーション”と判定されたのだ。

 野球規則によると、

〈打者への投球に関連する動作を起こしたならば、中途で止めたり、変更したりしないで、その投球を完了しなければならない〉

“二段モーション”はこれに抵触し、反則投球となる。

 雄星や西武球団は、“なぜ8月になって問題になるのか”と反発し、日本野球機構に質問書を送付する騒ぎに発展している。

 大手紙デスクによると、

「審判団はシーズン前の春季キャンプにも同行する。フォームに問題があるなら、そこで警告すれば選手はフォームを修正できます」

 つまり、西武側の主張に分があるように思えるが、

「どうも雄星のフォームがシーズン中に少しずつ変化しているんです。キャンプでは全く問題ありませんでした。ところが、5月頃から“1・2段”くらいになった。審判団は本人に口頭で注意したそうです。しかし、6月には“1・5段”、7月に“1・8段”と逆にエスカレートしていった」

 打者がタイミングを取り辛くなる一方で、雄星は奪三振、勝ち星を積み上げる。

「そして、明らかに“2段”となった8月、無視され続けた審判団が実力行使に踏み切ったというわけです」

 ネット上にも彼のフォームの変遷を検証する動画が複数アップされており、素人目にも“2段”に変わったことが一目瞭然である。

 球団広報曰く、

「(ネット上の検証画像については)把握しています。(反則投球であるとの)ご指摘がある以上、修正するように努めていきます」

 メジャーも視野に入れているという菊池。自らの値札を左右する正念場である。

週刊新潮 2017年9月7日号掲載

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