天皇陛下、沈黙20秒… 憂慮される異変の舞台裏

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“終わったのか”

「12時の時報とともに黙祷を捧げてから、陛下がおことばを述べられるのですが、黙祷の前にフライングしておことばを読み上げ始めたのです。これまで、毎年のように同じ流れで行っているので、間違われることなんて、普通では考えられない」(先の宮内庁記者)

 また、この年の10月には、植樹祭や国体と並んで三大行幸啓のひとつとされる、「全国豊かな海づくり大会」でも起きていた。

「富山県で開かれた大会の“閉会の挨拶”の時でした。陛下が県議会議長を手招きして呼び寄せると、すでに終わっている最優秀作文の発表を“終わったのか”と聞かれたのです。終わったも何も、つい30分ほど前に受賞した小学生が陛下の前で読み上げていた」(同)

 他にも同様の“異変”は多数。そして今回の戦没者追悼式での出来事である。

 皇室ジャーナリストの神田秀一氏が言う。

「陛下のご学友が今月亡くなりました。それを考えると陛下に何があっても特異な状況とは言えなくなってきていると思います。来年の戦没者追悼式は、陛下の最後の重要な仕事になるわけです。それで平成が終わるでしょう。陛下にきちんとお務め頂くためにも公務をしっかり調整してご体調を整えて頂くことが重要です。これまでの様々な式典の開催者側も陛下がお出来になれないというのであれば、見直す時に来ているのではないでしょうか」

 先の宮内庁記者が言う。

「遡れば女性宮家の問題も頓挫し、陛下は皇室の未来のためにも生前退位を恒久法にしたかったのでしょう。ところが、政府は一代限りの特例法に留めてしまった。陛下としては残念な思いでしょうし、そのことがさらなる心労として負担になっているのです」

 現在、退位の時期は来年末か、再来年の4月で検討されている。その時を迎えても陛下のお心が休まることはなさそうなのだ。

週刊新潮 2017年8月31日秋風月増大号掲載

ワイド特集「夢追い人が夏を追う」より

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