銀座で起きたら…バルセロナ「暴走テロ」に見る危機感の差

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 ヴァカンスで賑わうスペインの観光都市バルセロナ。中でも同地を訪れる人が必ず立ち寄ると言われるのが“ランブラス通り”だ。

「海岸から旧市街のカタルーニャ広場まで全長1・2キロ。長い歩行者専用区間に屋台や土産物屋なども並び、まさに定番のお勧めコースです」(観光ライター)

 8月17日夕刻、そこをIS系過激派が白色のワゴン車で600メートルも暴走。死者13名、負傷者100名を超える大惨事となった。

「1・2キロというと銀座1丁目から8丁目の歩行者天国とほぼ同じ。警視庁もテロ情報の収集は熱心にしています。が、目に見える対応と言えば、9年前にアキバ通り魔事件もあったのに、ホコ天時に鉄製の車止めを要所へ配置するくらいです」(警視庁担当記者)

 だが、欧州ではすでに、仏ニースで昨年7月に大型トラック暴走テロで死者86人を出した事件以降、同様の事件が頻発している。

「ISもこの戦術に効果があると強く認識しているのです。そのため、例えば英国ではこの戦いが10年、20年と続くのを覚悟して、同様のテロ事件が6月にあったロンドン橋の他、人出の多いところにはコンクリート製の大きなブロックや丈夫なガードレールを設置するなど、恒久的とも言える対策を施しています」

 と、その認識と危機感の差を嘆くのは在英国際ジャーナリストの木村正人氏。

「もっと重要なのが、実際にテロが起きた時にどう対応するか。欧州ではテロリストを容赦なく射殺していますが、今の日本では“撃っていいですか”とお伺いを立てることになる。東京五輪も3年後。この議論をもっとオープンに重ねるべきで、それが結果的にはパニックによる過剰防衛や人権侵害の予防にもなるはずです」

週刊新潮 2017年8月31日秋風月増大号掲載

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