橋本健市議、本誌取材に架空発注疑惑を否定… 超えた政治家としての“一線”

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橋本氏、大林氏の回答は…

 しかし、橋本氏に面談や電話での取材をお願いしても応じず、メールで、

「『大林印刷』は実際に印刷業を営んでいます。政務活動費の支出にあたっては適正にチェックを受けて執行しています」

 と述べるのみ。

 では、本当にチラシを配ったのか、なぜ15年3月より後は発注を止めたのか、と質問すると、もう回答は来なかったのだ。

 一方、後に「実態のない領収書を作った」旨をメディアに認めた大林氏は、当初の小誌の取材に、

「個人事業主として印刷業はやっていますし、(橋本市議の)印刷も請け負いました。私がやったのは、デザインと在庫管理で、実際の印刷は下請けに出しているんです」

 と、疑いを真っ向否定していた。では、下請けはどこか教えてください、と繰り返し尋ねても答えはなく、「彼(橋本市議)に聞いてよ」と言う一方で、橋本氏からの発注がなくなったのは、

「そりゃ市議団の問題があったからでしょう」

 とも述べる。

 適正に行っていたのに、政活費問題の報道が出ると、なぜ発注が止まるのか。疑問はやはり残るのである。

「最近でも、ある兵庫県議が、政活費で知人の業者に印刷を発注していたが、それが架空だったという件がありました」

 とは、「市民オンブズマン兵庫」の森池豊武代表。

「全国でも神戸でも、これだけ政活費の問題が注目されている。その中でこうした疑惑があるのなら、橋本市議はきちんと説明するのが責務です。業者が下請けに出しているというのであれば、下請けの領収書もきちんと出すべき。それを怠っては、不適切な支出ではないか、との疑惑を持たれるのは当たり前です」

 政治家としての「一線」を遥かに越えてしまった「不倫市議」。いずれにせよ、説明の仕方ひとつとっても、およそ、政治を職業とする人物にふさわしくないとの念を強くさせるのだ。

週刊新潮 2017年8月31日秋風月増大号掲載

特集「政策チラシ700万円を架空発注!? 『今井絵理子』が溺れる『不倫市議』の怪しい政活費」

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