「広陵の中村」「天理の輪島」に目をみはった球界角界のスカウト
史上最高の
スポーツジャーナリストの安倍昌彦氏も同様に、
「中村は無理やりボールを持ち上げるようなアッパースイングだったのが、自然にバットを振れて叩けるようになった。彼は高校野球史上最高のキャッチャーといえますね。打てて、走れて、肩もよく、トーナメント戦で重要な勝負強さも兼ね備えている。広陵の先輩である巨人の小林誠司とは、比べものにならないほど中村のほうが優秀です」
その優秀さを、もう少し掘り下げてもらおう。
「2塁への送球タイムが平均1・8秒と、すでにプロで戦えるレベルですが、それ以上に精度が素晴らしい。さらに驚いたのが野球の上手さ。ピッチャーにサインを出すとき、守備陣にも目を向けて野手にもサインを出している。野手7人を含めてバッテリーを組んでいるイメージです」
こうなると、楽しみなのはドラフト会議だが、
「各球団、清宮と中村で割れると思います。野球力では中村がリードです」
と安倍氏。手束氏も、
「全球団、中村に興味を持っていると思いますが、嶋基宏の後継者を育てたい楽天や、正捕手を決めきれない阪神は、まず欲しがるでしょう。地元広島も狙いに行く可能性は大いにある。金額はもちろん満額の契約金1億円で出来高払い5000万円の年俸1500万円クラスでしょう。清宮と同額の提示になると思う」
母子家庭で中村を育て上げた母親の将来も安泰か。
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