大塚家具・久美子社長、63億円の大赤字 年内で溶ける内部留保
配当が付くかどうか
なぜ、ここまで業績が振るわないのか。
「今、彼女が進めているのは、床面積を小さくすることでコストを抑えて利益に繋げるという、店舗の小型化。これまでの大型店からスケールダウンを図っていますが、業界で成功したビジネスモデルの常識とは真逆だと言われている」(同)
さらに一番の敗因は、久美子社長が力を注ぐ、中古品を買い取って販売するリユース事業にあるという。
「大塚家具は新品を扱っている同じ店舗で、リユース品を並べています。その結果、お客は値段の安い中古品を買ってしまい、高額な新品が売れないというジレンマに陥っている。ナンセンスと言うほかない」(同)
高級品を扱う従来のブランドイメージから低価格路線を目指した久美子社長だが、次々と繰り出した戦略は、いずれも裏目に出てしまっているというわけだ。
大塚家具の内部を知る関係者が今後を占うに、
「今回の発表では、有価証券の減少のみならず、営業活動によるキャッシュフローもおよそマイナス30億円。単純に営業すれば1カ月あたり5億円ずつ損をしている計算になります。日々の営業に必要な現預金は、21億円しかない。このペースで行くと、4カ月で現金が溶けてしまうことになる」
今後、茨の道を歩むことになるのは言うまでもない。
「すぐにでもリストラや店舗の統廃合をする必要があります。ただし、そのためにはまとまった金が運転資金とは別に必要です。銀行融資を受ければ資金不足は回避できますが、問題は株の配当。久美子社長になった際に、配当金を3年間は80円付けるとしましたが、今年2月、業績が悪化したため40円に減配しています。しかし、今回の件で、配当が付くかどうか」(同)
その時、株主が“城主”に黙っているはずもなく……。もはや、先代に泣きつくしか道はなさそう?
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