捕獲スッポン&ミズクラゲ調理法大公開 高級和食・中華を「捕まえて、食べる」!

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海を漂う「中華前菜」

 今回紹介する中では一番簡単に捕まえられるターゲットが、「ミズクラゲ」だ。この時期に海へ行くと、水面でプカプカと浮かんでいるあの白いクラゲのことである。基本的には食用とされない種類なのだが、手間と時間をたっぷりと掛けることで、あれが中華料理の前菜でおなじみのコリコリとした食用クラゲに変貌するのだから、試してみる価値はあるだろう。

 捕まえ方は、適当な港や防波堤にでも行って、網で掬って集めるだけだ。ミズクラゲの刺す毒は非常に弱いが、捕まえるときはゴム手袋などで防御した方が無難である。

 こいつを食べられるようにする方法だが、大分県海洋水産研究センターの研究発表によると、まずは真水でぬめりをしっかりと落とし、ミョウバンを5%混ぜた塩をたっぷりと使って元の重量の8%程度になるまで脱水する。こうしてできあがった「塩蔵ミズクラゲ加工品」を水に浸けて塩抜きして、80度程度のお湯で縮れさせれば、コリコリとした歯ごたえが楽しめる立派な食材になってくれるのだ。

 このように普通は食べないような生物を、美味しく料理できたときの達成感にこそ、幸せを感じるという人も多いだろう。だんだんと水分が抜けていく様子は、子供や孫の夏休みの自由研究にしてもいいかもしれない。

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(3)へつづく

玉置標本(たまおき・ひょうほん)
1976年埼玉県生まれ。東京のウェブ制作会社に勤めた後、フリーライターに転身。趣味は食物採取全般で、週に1度はなにか天然物を捕って食べている。

週刊新潮 2017年8月17・24日夏季特大号掲載

特別読物「山には『タマゴタケ』海には『ミズクラゲ』 川や湖も野生食物の宝庫! 夏休みの課題は『捕まえて、食べる』!」より

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